現実では辛いけれど創作物では人気のある設定 「社会不適合者」
「社会不適合者」 とは、そのまんまですが社会にうまく適応できていない人のことです。 略語として 「社不」 と呼んだり、男性女性でそれぞれ社不男・社不女と呼んだり、単にダメ人間みたいに呼ばれることもあります。 マンガ や アニメ といった創作物においては 主人公 やその ライバル、あるいは ヒロイン といった重要な キャラ に比較的よく与えられがちな 属性 でしょう。
具体的には他者とのコミュニケーションが下手だったり、時間や約束を守れない、異性にだらしなかったり、金銭感覚がおかしかったり、社会的なルールへの順応に問題がある、学校 での生活や社会人としての生活になじめなかったり問題がある人となります。 不良やヤンキー、ギャル、あるいは知的な機能に制限があったり 引きこもり だったり、極端なケースでは薬物中毒者やヤクザをはじめとする犯罪者なども含まれます。
一方で、ずぼらでだらしなかったり集中力や継続する力に乏しいというのは程度問題でもあり、誰でもが多かれ少なかれ心の中に不安として持っているものでもあります。 また日ごろは目立たない 地味 で無視される存在でも、何かしらの突出した才能があれば、それ以外の部分がいくらダメでも許されるケースもありますし、そのギャップに 萌え る部分もあります。 とくに 天才 と呼ばれるような人物が、自らの分野で驚異的な能力を持ちながらそれと引き換えるように社会性に大きな欠落を持つといった描写は、はなはだステレオタイプではありますがよく見る造形でしょう。
創作物の世界はともかく、現実に社会不適合者扱いされるような人間は、何かと生き辛く、周囲が受けるであろう迷惑は元より、何よりも本人が辛いものでしょう。 とくに友人ができなかったり集団行動が苦手、何をやっても長続きしないなどは、社会の要求に応えられないといった外部評価よりも本人が強く劣等感や挫折感を味わうものです。 他者に対するレッテルとして使われる他、他でもない自分自身に 自虐的 に用いられるのも社会不適合者という言葉が持つ多面性です。
常識や規範に囚われない 「トリックスター」 として
創作物の主要な役割を担うからにはおおむね何らかの役割を持ち、かつそれを担うに足る特徴なり才能なりを持ってその場にいるわけですが、完全無欠な存在ではなく何らかの欠点や欠損、残念 な部分もある等身大のキャラには親近感を得られます。 こんな自分でも何か胸を張れるものが一つあれば社会に居所を見つけられるという希望でもあります。 そのギャップはある種の 萌え要素 と目されることもあります。 イケメン や美少女で得難い才能を持つ社会不適合者は、感情移入 するだけでなく、庇ってサポートしてあげたい、守ってあげたいという他者への母性を喚起するものでもあるのでしょう。
また現実の社会と折り合いが悪いというのは、別の云い方をすると世の中のほとんどの人が何とか折り合いをつけて生きている中で、それとは異なる価値観の元で物事を考えたり行動を起こす存在だと受け取ることもできます。 そこに社会的な建て前とかキレイごと、同調圧力、他人の目に囚われない本音とか物事の本質を見て、留飲を下げさせるといった役割もあります。 犯罪者や社会のはみ出し者が偽善者の化けの皮を剥がすといった描写は、ある種の痛快さを覚えるものでもあります。
世の中の多くの人は社会に何とか適応しようと努力しもがき、時に失敗や挫折による苦しみから消耗していくこともあるでしょう。 自由奔放・破天荒に我が道を行く人物はちょっとした憧れでもあります。 もちろん実際にそんなことはできないし、いざやったらとんでもない困難が待ち構えていますが、誰もがある種の 「生きづらさ」 を感じる人間社会、とくに創作物では トリックスター として注目を集めることが多いのでしょう。 それは現代でも過去でもあまり変わりません。 人間の営みなど、そう簡単に変わったりしないからです。





