同人用語の基礎知識

コメディリリーフ

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いるとホッとするか、単なるお邪魔虫か 「コメディリリーフ」

 「コメディリリーフ」(comedy relief)、あるいは 「コミックリリーフ」(comic relief) とは、マンガアニメ といった創作物に登場する人物・キャラクター の類型のひとつで、シリアス・深刻な 物語 の中でおどけたり ボケ たりと笑える言動をしてみせることで、一時的に緊張を和らげたり明るいムードに変える役割を担うもの、あるいはそのために他の人物やキャラと掛け合ったりするシーンやカットのことです。

 コメディリリーフを演じる人物やキャラは、通常は明るく滑稽で ドジ だったりと、憎めないキャラ造形となっていることが多いでしょう。 またそれ専門の人物やキャラが 配置 される場合もあれば、そうではないものが一時的にこの役割を担うこともあります。 脇役 として配置される場合は、落ち込んだ 主人公ヒロイン などを明るく励ます役割を演じることもあります。 おちゃらけキャラや道化師、毒消し、役割によっては ムードメーカー と呼ぶこともあります。

 こうした役割は、人の や別れ、戦争や世界が滅ぶといった内容が描かれる深刻な作品で、物語が必要以上に暗くなったり 鬱展開 になりすぎるのを防いだり、一息ついて話の流れに緩急のリズムをつけたりといった効果があります。 物語の最後まで見届ける役割を担ったり、明るい オチ をつける役割を担うこともありますが、作中唯一、もしくは最後の一人となるコメディリリーフ役が死んだり消えていなくなることで、作品の受け手側にこれ以上ない絶望感を味あわせることもあります。

 とくにパニックものやホラーものの作品などは、無理に明るく振る舞う道化師は スクカ 上位で美男美女の リア充 と並んで、もっとも惨たらしく殺されるのが お約束 みたいな部分もあります。

トリックスター などと並び、物語中にいると便利なコメディリリーフ

 断片的に見ると、時として似たような扱われ方がされがちな存在に 「トリックスター」(トリスタ/ trickster) があります。 こちらもおおむね明るく滑稽でおどけたりイタズラ好きだったりもしますが、意味はもう少し広く、場のムードを変えるだけでなく物語の秩序や 世界観 ごと破壊したり、気まぐれで詐欺師やペテン師のように振舞ったり、誠実さとずる賢さ、善と悪といった相反する矛盾した性格を持って物語を受け取る 読者視聴者 を混乱させる、時には物語の テーマ や核心部分の謎解きやその重要なヒントを与える 「便利な何でも屋」 といった ニュアンス でも使われます。 物語の中にあって、傍観者的・メタなポジション で俯瞰的な説明を提供する場合もあります。

 いずれにせよ物語における重要なスパイスであり、出しゃばりすぎると物語を楽しむ中で没入感を阻害し邪魔に感じたりもしますが、適切な使い方がされると物語に深みを与えたり、分かりやすくする効果があります。 とりわけコメディリリーフは、物語を創る 作者 にとっても話に変化がつけられる便利な存在であり、煮詰まった時の場面転換役として重宝するものでしょう。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2009年3月16日)
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