仲間にムードメーカーがいると人生の質が上がる
「ムードメーカー」 とは、ムード (雰囲気) を作る人のことです。 一般的に ポジティブ なイメージでくくられる言葉であり、その場にいるだけで雰囲気を明るく楽しくする、場を盛り上げる、人間関係やその空気を良くする人を指します。 自称する 概念 ではなく、自認してそうありたいと努力する人がいる一方、仲間内で何となくそういうポジションの人が生まれこともあります。 人の集まりや グループ が空中分解せずに存続するための、もっとも大切な要素だとされることも多いでしょう。 対義語は ネットスラング でお通夜マン (その場にいるだけで場をどんより暗くさせる) です。
マンガ や アニメ といった創作物においては、その作品の雰囲気を決定づける存在として 主人公 がムードメーカーに相当します。 一方で、作品に登場する複数の キャラクター の人間関係を描く上で、全体の潤滑油として機能するキャラを作品内グループにおけるムードメーカーとする場合もあります。 この場合は、作品の華となる ヒロイン が担ったり、主人公がリーダータイプなら、その側近や参謀役として活躍するキャラが選ばれることもあります。 華があるにせよ 地味 で目立たない参謀役にせよ、ムードメーカーと呼ばれる場合は作品内の仲間から信頼され 愛され るキャラが多いでしょう。
また物語を動かす中で、その主導権を握るのはあくまで主人公やそのライバルですが、作品に彩や奥行きを与えたり、雰囲気を変えて話を面白く転がす、作品を受け取る側が理解しやすいように 作者 の意図をそれとなく説明をするといった役割を果たすこともあります。 この場合、それぞれの役割や描き方によって、トリックスター (トリスタ) や狂言回し、毒消し、コメディリリーフといった呼ばれ方をすることもあります。
いなくなって初めてわかる、ムードメーカーのありがたみ
その場にいるだけで場を好転させる華や天性の明るさを持っている人となりますが、気配り上手で笑顔を絶やさず、また多少強引に感じられるほどの人を巻き込む力を持っている人がそう呼ばれることが多いかもしれません。
聞き上手で人の和を重んじる朗らかさ、調整役としてのバランス感覚といった分かりやすい長所もありますが、場合によっては本人がかなり強めに意識しての憎まれ役や道化師的な立場を演じることもあり、根本には 「憎めない性格や容姿」 が必要かも知れません。 これは天性のものの場合もあれば努力の結果だったり、あるいは人の集まりやグループにおけるそれまでの関係性から生じることもあります。
同じく調整力や場の雰囲気作りが必要な存在にリーダーやトップといった役割があります。 この役割には他を圧倒する 有能さ や決断力、場を仕切る力、目立った特徴や個性も求められがちです。 目立ちたがりで出しゃばりすぎる強引な性格も、時には求められるでしょう。 一方のムードメーカーの場合、これらの素質はさほど重要ではなく (持っていて場面ごとに使い分けられたら最強ですが)、むしろ目立たないのに何となく潤滑油的に場を丸く収める力、控えめで縁の下の力持ちといった能力をこそ求められるといっても良いかもしれません。 そのため外部から見るとその存在の価値が分からず、場合によってはその場にいる仲間や本人ですら気が付かず、「いなくなって初めてありがたみが分かる」 場合もあります。
学校や職場の集まりにせよ 趣味 の集まりやグループにせよ、誰か一人でもムードメーカーとして機能する人物が存在すると、不思議と上手く物事が回るものです。 もし仲間や友人にそう思える人物がいたなら、尊重し大切にしたいものです。 それは集まりやグループにとって欠くべからざる稀有な存在であり、また自分の人生の 質 を確実に上げてくれる人物でもあるからです。