他人を煽ったり自虐したり… 「悲報」
「悲報」(ひほう/ かなしほう) とは、ネット の 掲示板 において、もっぱら 煽り を目的として使うことが多いフレーズ・ネットスラング のひとつです。 2ちゃんねる などの掲示板は、板の中にひとつの話題ごとの スレッド (スレ) が立てられますが、このスレのタイトル (スレタイ) に、墨付き括弧 (【】) の形で使われること (【悲報】) が多いでしょう。
一般に悲報という言葉は、悲しい出来事や事件、失敗して 詰んだ、負けたとか、あるいは誰かが亡くなったといった報道 (訃報) で使われることが多いものです。 一方ネットにおける 【悲報】 はそれを含めてもっとカジュアルあるいは 露悪的 に使われ、意味としては 「ざまあみろ」「それ見たことか」「思った通り失敗した」 との強い嘲りの ニュアンス があります。
ただし同じ ネガティブ な使い方でも、自分に対して 自虐的 に使うことも多いでしょう。 【悲報】俺氏、通りすがりの女子高生に キモい と言われる」 といった感じです。 似たような使い方をするものにはこの他、○○終了のお知らせ とか ○○中止のお知らせ、無事脂肪 (死亡) などもあります。
対義語は 「朗報」 ですが、こちらも良い出来事や事件で使うだけでなく、一部の人にとっては悲しかったり不快になったりするものを、あえて良いニュース扱いして煽るようなニュアンスもあります。 同じく 「吉報」 も対義語となりますが、こちらはニュース報道の際に使われることがあまりないせいか、ネットのニュース速報系の板でもあまり見かけることはないかも知れません。
ネットで目立つためには、他人の不幸を予感させる方が有利?
元々 「悲報」 にせよ 「朗報」 にせよ、ニュース報道の際の 「速報」 の影響を受けている言葉ですし、メシウマ (人の 不幸 で飯がうまい) ではありませんが、単なる速報や朗報よりは、悲報の方が注目を集めたり興味を惹くものになりがちな部分はあります。
スレを立てた人は自分のスレが他のスレより目立ったり 書き込み が増えて伸びて欲しいと思うものですから、単なる煽りという意味だけでなく、ネット特有のある種の大げさ、過剰表現としても受け入れられやすかったのかなという気はします。