あいつムカつくから転がしてぇ… 「転がす」
「転がす」 とは、一般的には何かをコロコロと転がして移動させたり、手の平で転がすように意のままにすることを指しますが、ネット においては、しばしば 「殺す」 の隠語や 伏せ字、言い換えとして用いられる ネット用語 です。 ほとんど同じ使い方をするものに数字の語呂合わせである 「56す」 とか、誤変換当て字 の 「頃す」 もあります。
実際に特定の人物なりを殺すなどと 書き込み をすると犯罪予告や脅迫だと見なされ刑事罰を受ける罪となります。 また相手が架空の人物であっても、殺すとか殺といった言葉や文字は、有害文字列や不適切ワードだとして排除される (サニタイジング) ことがあります。 あるいは ブログ やら 動画サイト への動画の 投稿 などによって利益を得ようとすると (アフィリエイト や収益化)、これらが含まれると アカウント が BAN されたり収益化が剥奪されることもあります。
その結果、時代を経るごとに殺という文字が避けられるようになっています。 とくにアフィリエイトや収益化などの場合、判定が機械的にされるため、本来の意味や ニュアンス を無視した判断がされがちです。 そのため、「殺意」 みたいな一般の言葉でも 「さつ意」 とか 「冊意」「○意」 みたいな言い換えというか書き換えが進んでいる状況もあります。
これは Google やその傘下の Youtube といったサービスにおいてはとくに顕著で、ほとんど殺とか死といった言葉はネットで使えない漢字・文字のような扱いとなっています。 一方で英語やその他の言語ではこうした極端な言葉や文字の排除はされておらず、個人的には日本語や漢字に対する無理解から生じた差別だと思いますが、逆に日本ではさほど問題視されない黒人や外国人差別に直結しかねないキーワードとか、Fワードに代表される Four-letter word、児童ポルノ に関するあれこれなどは日本語以上の言葉狩りになってはいて、お国変わればといったところなのでしょうか。