慢心だめ絶対! 調子に乗ると全てを失う…「コツコツドカン」
「コツコツドカン」 とは、地道にコツコツと積み上げてきたものを、最後の最後にドカンと大きく失ってしまうことです。 投資の世界で使われる言葉で、とくに投機性の高い FX (外国為替証拠金取引) といった取り引きで格言のような形で語られるものです。
人間は例え小さな成功でも、体験を積み重ねると過信・慢心します。 はじめのうちはおっかなびっくり少額の投資を行うものの、何度か成功すると気が大きくなって大きな勝負がしたくなるんですね。 それで成功すれば良いのですが、たいていはそのうち手痛い失敗を経験するはめになります。 なぜかと云えば、そこで成功してもまた慢心のタネになって、次のドカンが待っているだけだからです。
儲かっても損をしてもあらかじめ決めていた 枠 内で収めるようにするとか、あるいはある段階で止めると決めてそれを守れれば、人生を誤るほどの大失敗はしなくて済むかもしれません。 しかしそうは行かないのが欲深い人間の性。 成功したら次もと思うし、失敗したら次こそはと思って 沼 に ハマっ てしまうものなのでしょう。
同じようなことは 同人 の世界でもよくあります。 同人誌 を作って イベント に サークル参加 して全く 頒布 できない (売れない) のも悲しいですが、妙にそこそこ売れてしまい 完売 などにもなると、「せっかく来てくれたのに完売では申し訳ない」 などと他人の気持ちをおもんぱかるような自分への口実を作って、つい調子に乗ってしまいがちです。 やっぱりなるべく多くの人に手に取ってもらいたい、それでちょっとお小遣い程度のお金が手に入ればさらに嬉しいと欲も出てきてしまいます。 それまではせいぜい10部とか20部の コピー誌 だったのに 「この調子ならいけるやろ」 と 新刊 を オフセ本 にして大きな 部数 で持ち込んだら 爆死 だ たまご だなどは、とてもよくある話です。
好事魔多しではありませんが、ものごとが上手くいっている時こそ注意深く行動したいものです。 まあでも、楽観的に物事を考えられるのは一種の才能だと思うので、無理のない範囲で前向きになるのも大切ですけれど。
詐欺の世界でもコツコツドカン?
コツコツドカンの心理は、投資詐欺の世界でもターゲットから騙し取るお金を最大化するために利用されます。 最初のうちは小さな利益を渡し、相手の警戒心が解けた頃に目いっぱいお金を引き出してそのまま姿をくらます。 世の中そんな甘い話はありません。 闇バイヤーや闇バイトもそうですが、騙されると根こそぎ奪われ借金まで作るはめになるので、美味しい話には十分注意するようにしましょう。
なお似たような使われ方をするフレーズには、ご飯を美味しく炊くノウハウから転じた 「はじめちょろちょろなかぱっぱ」 とか、仕事のやり方を自信たっぷりに話す 「細工は流々仕上げを御覧じろ」 があります。 どちらも全くといって良いほど意味が違う言葉ですが、詐欺師側が何となく同じような ニュアンス で使われがちなフレーズになります。