2008年3月に突然現れた用語、「みなしポルノ」 とは…?
「みなしポルノ」 とは、現実の児童が存在せず、架空の キャラクター が登場する アニメ や ゲーム、および児童ではない成年の女性 (公式 なパブリシティで 「女性」 とだけ書かれています) がセーラー服などの未成年の服装をするなどして児童になりすますアダルトビデオなどのポルノ作品を指す言葉です。
2008年3月26日の Google 「みなしポルノ」 の検索結果は、 このニュース関連のみ4つだけ |
政府与党・公明党の 「児童買春・ポルノ禁止法の見直しプロジェクトチーム」(座長/ 丸谷佳織衆議院議員) が2008年3月25日、参院議員会館で開催した会合で初めて公式に使ったと思われる造語で、3月26日付けの公明新聞 「構成要件の明確化必要 児童ポルノ禁止法単純所持の処罰化など議論 党プロジェクトチーム」 で使用されました。
筆者 もそれまで聞いたことがない言葉ですし、右にあるように3月26日段階でこのニュース関連4つ以外の検索結果も全くありませんから、新しい言葉なんでしょう。
なおこのプロジェクトチームは 2008年2月26日、この会合に先立ち 秋葉原 への視察 (わいせつなコミックや DVD などを販売する店舗など) を行っています。 会合に参加した議員は、座長の丸谷佳織、ならびに石田祝稔、古屋範子、谷口和史の各衆院議員、および松あきら参院議員の5名です。
次から次へと似たような言葉を作ってどうするんでしょうか…
似たような名称の乱発 本当に子供を守るため? |
児童を性的に虐待した結果作られる 画像 や動画は 児童ポルノ と呼ばれますが、最近は 「これでは意味が分かりにくい」 と、欧米などではより直接的な 児童虐待画像/ 児童虐待動画 などという明確な言葉が使われるようになってきています。
ところが日本側では、公明党によるこの 「みなしポルノ」 という言葉や、日本ユニセフ協会などが使っている 準児童ポルノ や 子どもポルノ など、素人が言葉だけで聞いたら違いが分からないような紛らわしいネーミングの呼称が次々生まれ、イメージばかりが先行する恣意的ネームのオンパレードとなっています。
そもそもなぜ 「児童みなしポルノ」 ではなく、「みなしポルノ」 なんでしょうか? 「みなし児童=児童じゃない」 ポルノ だというのが、聞いただけで誰にでもすぐにわかってしまうと、都合が悪いのでしょうか。 税金を使って下らない言葉遊びをしていないで、本当に児童や国民のためになる政策の検討に取り組んでいただきたいものです。
なおこの会合では、定義のあいまいな日本の児童ポルノの 単純所持 の禁止と、アニメ やゲーム、成人による演技のポルノなどが存在する現状を改善する努力は必要として、これら仮想ポルノが性犯罪に結び付くという因果関係を明確にする必要性を訴える内容となっています。 またそのために、付則などで国による調査研究義務を盛り込む案が出されています。