ちょっと一服… 「120円する」
「120円」 あるいは 「120円する」 とは、飲料の自動販売機で缶コーヒーや清涼飲料水を買ってちょっと一息つこう、お話しようといった意味の言葉です。 ニュアンス 的には 「お茶しよう」 とほぼ同義ですが、どこか喫茶店などの店舗に行くのではなく、そこらの近場にある自販機で飲み物を120円で買って 「ちょっとだけ立ち話ししましょう」 といった、よりライトな感じの言葉となります。
この言葉にもっとも近いのは、喫煙者による 「一服しよう」 だと思うのですが、最近ではタバコを吸う人も激減し、フレーズとして使いにくくなったのか、それに代わって一部で使われるようになったのが 「120円」 です。 顔見知りや友人、職場の同僚相手に使えるのはもちろん、例えば 同人 の イベント で偶然言葉を交わした人、ネット の 掲示板 などで突発的に決まった オフ会 に集った人などなど、初対面の相手にも気軽に使える言葉でもあるので、一部で普及しているようです。
確かに、見ず知らずの人間といきなり喫茶店や居酒屋などに行くのはちょっとためらいがあるけれど、イベント会場 や街中に多数設置されている自販機で飲み物を買ってその場で挨拶する程度なら、気軽に誘えるし付き合える距離感でしょう。 そこで 趣味 や好みの一致が確認できたり、お互いに共通の知り合いがいるのがわかれば、一気に距離も縮むものです。 また何かと出費が多い大型イベントの時期、120円程度ならお互いに財布の負担も気にしなくて済みます。
元ネタ 的なものについては諸説ありますが、2004年2月に 2ちゃんねる に書き込まれた 「羽田空港で所持金200円 どうしよう・・だれか助けてください」 関連の 書き込み (所持金が少ないのに喉の渇きに耐えかねて自販機で飲み物を買ってしまい 「ジュース飲んでんじゃネーヨはげ!!」 と 叩かれた もの) は面白いとしてコピペ素材化され、この ネタ が影響したのかしなかったのか、前後してネットで広く見かける表現となりました (それ以前にも、なかったわけではないです)。
缶コーヒーの売価が120円になったのは1997年あたりから
なお自販機の缶コーヒーの売価が120円になったのは1997年、消費税が3%から5%にアップした頃からです。 元々100円玉1つで購入できていた缶コーヒーは、1989年の消費税導入 (3%) 時には価格の据え置きが当初なされていましたが、しばらくして110円に。 5%アップ時にも多少の タイムラグ を経て120円となっています。
ちなみに 「120円の女」 という表現がありますが、こちらは軍艦などを 擬人化 した中国のスマートフォンゲームの日本語版 「アズールレーン」 に登場するアメリカ空母 「サラトガ」(USS Saratoga/ CV-3) を指します。 初回 課金 で貰える キャラ であり、課金の最低額が120円 (最小課金額1ドル≒120円) だったことから、こう呼ばれるようになっています。 ちなみにこのキャラの元ネタとなった実物の空母サラトガは、1994年に退役した後、1ドルどころかわずか1セント (1円程度) でアメリカ海軍から船舶解体企業に売却されています。 こうした存在は、しばしば ○○円の女や男 などと呼ばれます。