どんなに強力な攻撃であっても…「当たらなければどうということはない」
「当たらなければどうということはない」 とは、敵からの攻撃がどれほど強力、苛烈なものであっても、文字通り命中しなければ存在しないのも一緒だ、気に留める必要などないとの意味の言葉です。
単に文字通りの意味の背後には、「相手の攻撃を見切った」「相手の攻撃スキルが低いのを看破した」「自身の攻撃回避能力に絶対の自信を持っている」 といった優越的な感情があったり、場合によっては 「ここで敵弾が命中して倒れるなら俺はそこまでの男だが、そのようなことを神や運命がするはずがない」 との、絶対的で傲然・尊大な態度を示す場合もあります。
オタク用語 としての使い方は、例えば 弾幕系 や 格闘系 の ゲーム などで、敵からの攻撃を避け続ける際に ネタ として使ったり、こちらの攻撃がまったく当たらない、理不尽なまでの高回避力を持つ キャラ のセリフなどとしても使われます。 またそれとは別に、冷蔵庫の奥の賞味期限切れの食品や食中りしやすい生食品などを食べた時や、大規模な食中毒事件などが起こった時に、ある種の ネットスラング として、ことさらにこうしたセリフを使う場合もあります。
元ネタは、ガンダムのシャア大佐の 「当たらなければどうということはない」
元ネタ ですが、アニメ ガンダムシリーズ初代の 「機動戦士ガンダム」(1979年4月7日〜1980年1月26日) に登場する人気キャラ、シャア大佐 (シャア・アズナブル) の作品中のセリフ、「当たらなければどうということはない」(第2話 「ガンダム破壊命令」(1979年4月14日放映) からとなります。
,イ │ // |:! //,. -/r‐- 、| ! /,/ ./ | _」 ト、 /.\`/ |二...-┘ ヽ . i ,.>、;/ー- 、 l ! ∠.._;'____\ | ,!イ く二>,.、<二>`\.、ヽ. 当たらなければどうということはない /'´レ--‐'ノ. `ー---- 、 |\ ヽ、 \ `l (!" Jfヽ! `''-;ゝ `‐、jヽ ヾニニゝ ゙イ" }_,,. ‐''´ `´\ ー / ,ィ_} . |_ `ー ''´ _」' _,.| ~||「  ̄ 人|、._ ,r==;"´ ヽ ミ|||彡 / ` ー`==、-、 . ///,イ ___ ヽ|||_,,. ‐''´___ | | | |ヽ |
「当たらなければどうということはない」AA (アスキーアート) |
連邦軍の新型兵器 (ガンダム) を破壊・鹵獲 するため部下と共に敵地サイド7に潜入したシャアは、ザクから降りて徒歩で調査を開始。
そこへガンダムが現れ、過去 (第1話) にガンダムと遭遇し上官と僚友を失い怯える部下・スレンダーに、「慌てるな、下手に動くとかえって当たる。 人間みたいな小さな目標に、そうそう当たるもんじゃない」 と自信たっぷりに答えます。
その後ザクに搭乗し、改めてガンダムと対峙。 しかしガンダムの火力を知っており、さらに新しい武器を 装備 した敵の姿を見て、スレンダーは恐怖のあまり取り乱し戦意を喪失。 そこでシャアがスレンダーに言い放ったセリフが、すなわち 「当たらなければどうということはない、援護しろ」 なのでした。
このセリフには、ガンダムの動きからパイロット (アムロ・レイ) が素人であり、狙いがめちゃくちゃでそう簡単に攻撃などが当たるはずがないとの冷静な読みもあったのでしょうが、自身の常人離れした攻撃回避能力を基準に、部下を叱咤激励する意味もあったのでしょう。 また前段の 「人間みたいな小さな目標に、そうそう当たるもんじゃない」 とのセリフを含め、肝の座ったシャアの性格をあらわしてもいました。
しかしシャア大佐のような冷静沈着な行動力も3倍性能も持たない一般人であるスレンダーには、あっさりとガンダムの攻撃が命中。 絶叫と共にあわれ宇宙のチリになってしまったのでした。
「当たらなければどうということはない」 とセットの言葉と云えば…
なおこの言葉と対になる言葉としてよく使われるものには、敵の攻撃が当たってもびくともしない強靭な防御力を指すフレーズ、「さすがゴッグだ、なんともないぜ!」(第26話 「復活のシャア」(9月29日放映) でのコーカ・ラサ曹長のセリフ) などがあります。