一流だけれどどこか抜けている… 「一流の落ちこぼれ」
「一流の落ちこぼれ」 とは、一般的には一流やエリートだと思われる学歴や職歴、資格、あるいはクリエイティブな分野の実績などを持っており、その世界では名の通った存在でありながら、一般的な価値観や行動規範にやや欠けるような人、地頭 の良さや十分な才能は持ちつつ、明確な欠点や才能と引き換えのような欠落がいくつかあって主流にはなりきれないような人材を指す言葉です。
ありがちなのは、ずば抜けた知性があって難関校の学歴や難関資格を取得したり、名のある文学や芸術系の賞を獲得して将来を嘱望されていながら、何年も音信不通でその間に無銭旅行で世界を周ってたとか、異なる ジャンル の活動、例えば劇団に入ったり作ったりして演劇に命をかけていたり、音楽バンド活動を始めたり、政治的な学生運動に ハマっ たり。 あるいは 絵描き・字書き に血道を挙げる、アイドルの追っかけやら ネトゲ に入れ込んで 引きこもり となりそのゲームの世界では 神 とあがめられるようなトッププレイヤーになるなどの パターン もあります。
よく言えば 有能 な変わり者、はみ出し者、変人などとなりますが、あくまである一定の水準は満たした上で、本人が持つ強い癖や個性が時に本人の人生の妨げとなったり、逆に面白さとか魅力的な部分を際立たせるような特徴を指す言葉といって良いでしょう。 なお欠点や欠落がどれほどあっても本人の能力や才能がそれを無効化するほどのものだった場合は、異端の 天才 や超一流の変わり者と呼ばれるかもしれません。
このあたりは 昭和 の時代にはある種の美徳でもありました。 例えば一流大学に通う一部の学生の間にも、「中退一流、留年二流、4年で出ればただの人」 みたいな独特な価値観はわりとあったりします。 良い子や 普通 などつまらない、ちょっとハメを外したくらいがちょうどいい、平凡な人間ではなく尖った何者かになりたいみたいな価値観とその 共有 ですね。 とくに1950年代〜1960年代あたりから1970年代あたりまでの学生運動全盛期の時代には、中退がかっこいいみたいなブームもありました。
意図的にレールから外れるのか、無意識なものか
一般的には 残念 な状況だと思われがちですし、苦労して育て上げた親にとってはたまったものじゃない部分はあります。 とはいえ大学生あたりなら誰だって自分探しでちょっと迷うことくらいありますし、中学から高校あたりの思春期・中二病 の総仕上げみたいな部分もあります。 危なっかしい生き方をしている人の活躍、あるいは破滅を周囲で見るのはある意味で最高の娯楽でもあるのでしょうか、こうした人は金銭面での不義理をよほど重ねない限り、それなりに友人や理解者に囲まれていたりもするものです。
一方で、周囲にいるそんな人に憧れ、あるいは嫉妬や焦りを覚えて、かなり意識的にその模倣を行う 「自称一流の落ちこぼれ」 もあります。 これは優秀で、かつそのことに自覚的であるがゆえに 「自分は勉強ができるだけのただの優等生じゃないんだ」 とことさらにアピールするような 痛い 言動や イキり をしがちな人となります。 裕福な家庭に育ち一流大学に通う恵まれた学生が、そこに引け目を感じてあえて 露悪的 な言動や自堕落な生活を送る、モラトリアムな時代特有のサブカル的な悪人ごっこ、底辺ごっこみたいなものです。
こうした人はそれなりに打算的な部分もあるので、取り返しがつかないところに行く前に正気を取り戻し、卒業したら太い実家や頭の良さを使ってそれなりの企業に勤めたり、軌道修正できたりもします。 たまに自分が格下だと思っている同僚や後輩と飲みに行き、自分語り や 武勇伝 を開陳するタイプです。
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