これぞヒロインの中のヒロイン…? 「勝ちヒロイン」
「勝ちヒロイン」 とは、ヒロイン (主に女性の重要な キャラ) が複数登場する恋愛を テーマ とした創作物で、最終的に 主人公 に選ばれるヒロイン、トゥルーエンド (真の結末) で主人公と結ばれるハッピーエンドのヒロインのことです。
そもそも物語におけるヒロインの基本的な役割に、主人公との良好な信頼関係、理解しあい助け合う姿勢、幸福な結末の同伴がありますから、取り立てて 「勝ち」 と呼ぶ必要はありません。 しかし物語に意外性を持たせるためにライバルとなる別のヒロインを登場させ、むしろそちらを魅力的に描いて本当のヒロインだと錯誤させるケースがあるため、恋愛競争に敗れてしまう 不憫・不遇なヒロイン 「負けヒロイン」 との対比が行われる中で、「勝ちヒロイン」 という 概念 が生まれました。 似た言葉は 「本命」 となります。
最終的に主人公に選ばれ 「勝つ」 とはいえ、物語の途中までは他のヒロインと比べてどれが真のヒロインかわからず、それぞれのヒロインを 推して いる ファン は、ハラハラドキドキするものです。 どんでん返しの意外な結末とするために、負け側をより魅力的に描く場合もありますし、かといって最終的に勝ちヒロインが選ばれた時に違和感や不自然さ、無理やり感があっても興覚めです。 微妙なラインを攻めつつ、多くのファンが納得できるような着地点を作る必要があるでしょう。
ダブルヒロインやハーレムものなら、全員が勝ちヒロイン?
なお同格のヒロインが2人登場する作品を 「ダブルヒロイン」 と呼びますが、この場合に最後まで勝ち負けをはっきりさせず 「どちらも勝ち」 のようなぼかした結末としたり、物語が終わった後の波乱万丈を予感させる形で幕切れとする場合もあります。
このようなケースでは勝ち負けはありませんが、ファンは自分が推しているそれぞれのヒロインが勝ったと思えるので、主人公の優柔不断や煮え切らないイメージはありつつも、わりと現実的な決着かもしれません。 これは主人公に対してヒロインがたくさん出てくるハーレムもの、あるいは キャラパンフ・動物園とも揶揄されるキャラがやたらたくさん出てくる作品でも同様でしょう。