落ち込んだ姿を見ると護りたくなる… 「不憫」
「不憫」(フビン) とは、気の毒だったり かわいそう だったり、見ていて弱々しく哀れに感じる様子を指す言葉です。 理由はどうあれ、惨めだ、痛々しい、辛そうだ、悲惨だ、同情を禁じ得ない境遇にあることとなります。 似た言葉に 不幸 や 不運、不遇、難儀、悲運、薄幸 があります。
ごく 普通 の日本語ではありますが、比較的若年層向けの マンガ などでもよく使われ、語句そのものの難しさのわりに使い勝手のよい慣用表現として日常生活でよく見られるものかもしれません。 とくにカタカナ表記となる 「フビン」 や、会話においても 「フビンな子」(不運・不幸な子) といった云い回しでとてもよく使われます。 このあたりはマンガの少年誌をはじめ、様々な コンテンツ で繰り返し使われることで定着していったのでしょう。
ある種の 「主人公属性」 として
おたく や 腐女子 といった世界では、キャラクター の 属性 のひとつとしても 認知・解釈 されます。 とくにギャグタッチの作品の場合、主人公 が ドジっ子 で、それに伴いとんでもない不運や トラブル に巻き込まれたり招いたりして話が進むことから、しばしば有力な主人公属性のひとつ、あるいは愛される 萌え要素 ともされることが多いでしょう。
また 「フビンな姿」 とか 「フビン顔」 といった云い回しもあります。 トラブルなどに直面して茫然自失となり顔面蒼白、涙や冷や汗によって悲惨な表情になったり、暗闇で孤独に突っ伏す、放心状態でふらふらと漂うなど、見るものの涙を誘うようなあまりに かわいそう すぎる状態となります。
これらはおおむねギャグの範疇に収まるものですが、一方で 鬼畜・虐待系 の 成人向け の作品などでは、人権 を蔑ろにされ 尊厳を破壊 されて打ちのめされた姿とか、レイプ目 になって自失している状態などと表現としては似たものになりがちです。 ギャグと鬼畜・虐待表現とは方向性がまるで異なりますが、絵面から受ける属性としては一緒くたに不憫だとすることもあります。