どう考えても恋人ではないのに… 「恋人しぐさ」
「恋人しぐさ」 あるいは 「恋人表現」 とは、恋人が相手に対し意識的・無意識に行う しぐさ (行為・行動) の表現のことです。 「恋人同士でありがちなこと」 といった意味で使われる場合もありますが、フラットな意味でのみ使われる言葉ではなく、例えば エロ い創作物において 「どう考えても本気で惚れたとか恋愛感情があるようには見えない関係なのに本気の恋愛っぽいしぐさをしているような状態」 をも含めた広い 概念 として使われる言葉となります。
ガチ恋 を合わせた 「ガチ恋しぐさ」 と呼ぶこともあります。
「手をつなぐ」「だいしゅきホールド」「キス」…様々な恋人しぐさ
恋愛ドラマはもちろん、エロ漫画やエロゲームなどとも関連し、ネット や 同人 の世界で話題になる恋人しぐさには様々なものがあります。 例えば 「一緒に歩くときに手をつなぐ」「手結びする」(手の指をお互いに絡め合って手を結ぶ、恋人つなぎ) とか 「うるんだ瞳で紅潮しつつ相手の顔を見つめる」「相手の体や腕に手を回す」「だいしゅきホールド」(性行為の時、女性が男性の体に力いっぱいしがみつく状態、相手が大好きだとの感情が全面に出た行為)、「背伸びキス」(背の低い女性が背の高い男性に合わせるために背伸びして行うキス)、「ベロチュー」(舌を絡める接吻)、「もじもじする」「黙ってうなづく」 などなどです。
これらは性器の挿入や愛撫、フェラチオやクンニリングス (性器舐め) といった直接的なセックスやオーラルセックスに比べれば、スキンシップやジェスチャーの範疇に入るような、ごく控え目な愛情表現です。 相手が好きだからこそ生じる戸惑いや恥ずかしみ、思いやりからでる行動だと云っても良いでしょう。 しかし体ではなく心が相手を求めているという点で肉体的なセックスより感情を揺さぶられますし、好きなもの同士、相思相愛の関係であれば、これらは微笑ましい振舞いとなり、ラブラブで幸せな カップリング では好まれる行動パターンでしょう。
恋愛状態にない相手との 「恋人しぐさ」
一方、どう考えてもそういう関係ではないケース、例えば通りすがりの関係とか、痴漢 や強姦、輪姦 といった状態で 受け側・被害者側にこうした行動が描かれると、逆に本番たるセックスなどよりよほど淫靡だったり悲壮だったり切ない感情を呼び起こすでしょう。
また行動ではなくセリフによる恋人しぐさもあります。 例えば男性が 「チンコ入れるぞ」 としゃべると女性が戸惑いながら 「…わ、わたしなんかでいいの?」 などと答えたり、返事が 「はい」 ではなく 「うん」 だったり、「俺のことを好きだと言ってみな」 と云われると嫌な顔をせず 「恥ずかしいよ…」 と答える、「イキそうだ」 と云われると 「一緒にイきたい」「先にイってごめんなさい」 と答えるなどです。
淫乱や ビッチ のように自分から相手の性器に手を延ばしたり、セリフとして 「おちんぽください」「精子をあたしの中にぶちまけてください」 などとお下劣極まりない言い回しで盛り上げたり 煽る 表現も人気がありますが、初々しい恋人同士のぎこちない性行為のような恋人しぐさも、相思相愛パターンはもちろん、そうでないパターンなど様々なバリエーションで行われることで、徐々に人気が高まる傾向にあります。
なお逆に、いかにも無理やりな性行為を連想させるしぐさもあります。 例えば手足を拘束する、フェラチオの際に口を開けるために鼻を指でつかむ (口呼吸せざるを得ない状況にして口を開けさせる)、服を破るなどです。 これらは恋人しぐさとは正反対の表現となりますから、混ぜると何かと危険かも知れません (途中から切り替えてギャップを狙うみたいな使い方もないわけではありませんが)。
「ハート目」 の場合は解釈も色々
「目がハートになる」(ハート目) や 「セリフの末尾にハートマークがつく」 なども、好きであるとの意思表示が視覚的にも鮮明・明白であり、典型的な恋人しぐさ・恋愛表現の一つともされます。 しかしエロ漫画や動画などであまりに多用されており、また情緒もなく直接的過ぎることもあり、現在では相手に対する思慕の表現というよりも、むしろ 「セックスが好き」「快楽に溺れた状態」 だと解するほうが一般的かもしれません。 とくにハートの形を縦に伸ばしてちょっと曲げるなどは、その傾向がかなり強いイメージです。
とはいえ親愛の情をハートで表す使い方はまだまだ多く、要は物語や行為の流れ次第ではあるのでしょう。