同人用語の基礎知識

ちょろイン

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ちょろいヒロインで 「ちょろイン」

 「ちょろイン」 とは、「ちょろい」(簡単だ、楽勝だ) と 「ヒロイン」(マンガアニメゲームラノベ などに登場し、物語の中心となる女性の キャラ) とを合わせた造語で、そのまんまですが 「ちょろいヒロイン」 との意味の言葉です。 表記ゆれ で 「チョロイン」 となる場合もあります。 こうした 属性 を持つキャラは、キャラ名や略称・愛称にちょろを接頭して呼ぶ場合もあります。 例えばキャラ名が 「いく子」 なら 「ちょろいく」 となります。

 女性ヒロインの何がちょろいのかと云えば、主に恋愛を中心とする感情の部分で、男性 主人公 によっていともたやすく篭絡されてしまう、攻略できてしまう、あるいは普通はまず惚れる理由にならないようなどうでも良い部分にときめいてしまうといったニュアンスとなります。 「すぐ落ちる」「扱いが簡単だ」「思い通りにあしらえる」 といった状態となり、同人 にありがちな カップリング においてはおおむね 受け を担うこととなります。

 ただし、物語の最初から主人公に好意を持っていて、本人がそれに気づかず些細なきっかけで意識して惚れてしまう、自分の気持ちに気づく…といった場合は、その時点で簡単に惚れたわけではないので、扱いが異なることが多いでしょう。 また主人公以外の登場人物のモーションに簡単になびいてしまっては単なる好色なアホになってしまうので、あくまで主人公に対してのみ 「ちょろ要素」 があるといった扱いが多いでしょう。 似た属性の ツンデレ とは非常に相性が良く、ほとんど同一視される場合もあります。

相手となる主人公の 「鈍感」「奥手」 属性と組み合わせられる 「ちょろ」

 なおラブコメ (恋愛コメディ) などの場合、女性ヒロインが 「ちょろイン」 ならお相手である男性主人公には 「鈍感」 あるいは 「奥手」「女性嫌い」 場合によっては 「無気力・クール」 という属性が付されることが多く、そう簡単に恋愛が成就するわけではありません。 すぐに相思相愛で結ばれてしまっては物語が終わってしまうからです。 また純情だったり性的に淡泊である必要もあるでしょう。 そうでなければ肉体関係一直線です。

 ラブコメにおいては、恋愛描写における 「ここでひと押しすればヒロインが落ちるのに何で押さないんだ」「お互いの気持ちに薄々気が付いているのになぜ切り出さないんだ」「そんなどうでも良いことで言い争いしてる場合か」 という 「すれ違い」 のじれったさ、つかず離れずのハラハラ・ドキドキな シチュエーション が作品の大きな魅力でもあります。 したがって 「ちょろ」 と 「鈍感」、そのバランスの中で物語は揺れ動き、またちょろさ加減も調整されることになります。 単なるツンデレとの違いがあるとすれば、この部分の比率や扱いの違いが、異なる要素と云えるかもしれません。 カップリングされる相手との関係性が極めて重要なのですね。

なぜ 「ちょろい」 のか?

 ちょろインにおけるちょろ (惚れる) の理由や要素は、恋愛フラグ が立たないような些細なことだったり、普通はまず好意など感じない突拍子もない部分だったりします。 また 「押し」「プッシュ」 にはめっぽう弱く、主人公がその気になればいつでも頬を赤らめ受け入れる準備がある据え膳状態とも云えます。 なぜこのようなちょろ要素があるのかについては、様々な理由があります。

 まず第一に、ヒロインは主人公に感情移入する 読者 や視聴者にとってもヒロインであり、そこに余計な 「惚れるための理由」 は必要ないとの考えがあります。 惚れる理由に 「容姿や頭脳が優れている」「特別な力や技を持っている」「お金や地位・名声がある」 を 設定 してしまうと、それらを持っていない平凡な 一般人 の読者や視聴者は置いてけぼりになります。 またそうした 「実利的でわかりやすい価値観に基づく魅力」 によって心動かされるヒロインは、何やら計算高いずる賢いイメージになりますし、そこで生じる恋愛感情も、損得勘定に基づく打算的なものに感じられてもしまうでしょう。

 したがって、こうしたわかりやすい魅力はむしろ主人公のライバルにこそ付与され、ヒロインも場合によっては一時そうしたライバルに気をひかれることがあったとしても、それより劣る主人公の些細なしぐさや頑張る姿、ちょっとした優しさやよくわからない部分にこそ強く心を惹きつけられる描写となるのでしょう。 何者でもない誰でもが、もしかしたら持っているかも知れない 「目に見えず打算でもない何か」 こそが、ヒロインにとって大きな魅力となるわけです。

 そして第二には、前述した鈍感・女嫌いな主人公との好意のすれ違い、じれったさやハラハラ・ドキドキに、こうした属性がうってつけという点があります。 主人公が鈍感・女嫌いである以上、ヒロインの側に積極的に受け入れる姿勢がなければ話が進まないのですね。 物語終盤、何だか良いムードとなりヒロインも瞳うるうる頬紅潮で万全の受け入れ体制を整えて待っているのに、鈍感な主人公がそれに気づかなかったりあれこれ逡巡している間に空気が読めないクラスメイトなどのお邪魔虫が入ってきてムードをぶち壊してしまう…あたりが、すれ違いの黄金パターンと云えるでしょう。

 このあたりの登場キャラに対する性格付け、要素付けは、物語を進める中でキャラを無理なく動かすために必要だからこそ付与されたもので、それ自体を 萌え要素 や魅力として訴求することはあまりなかったのでしょう。 しかし様々な作品やキャラが生まれ、それらが属性として類型化される中で、萌えるポイントだったり 突っ込み 要素として徐々に 認知 され、ネット などを通じてこうした言葉で語られるようになったと云えます。

ちょろさに不自然さやあざとさがあると 「ご都合主義」 の批判も

 一方で、「ご都合主義」 を揶揄・批判するようなニュアンスをこの言葉に込めている場合もあります。 あまりにちょろ要素が高すぎると恋愛ありきの予定調和な作り話感が強くなりますし、ヒロインの感情の移り変わりにあまりにも説得力がなければ、リアリティだってなくなり感情移入もできないでしょう。

 そのため、場合によっては 「幼馴染」 や 「いいなずけ」 といった、「ちょろさが促進される運命的なもっともらしい理由」 が付けられる場合もあります (ただしその場合は 「ちょろイン」 ではなく単なる 「幼馴染」 や 「いいなずけ」 という属性に回収されるケースが多いでしょうけれど)。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2012年11月28日)
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