印刷所への入稿方法が劇的に変化… 「MO入稿」
「MO入稿」 とは、光磁気ディスクの一種である MO ディスク を使って 印刷所 へ 印刷 のための 原稿データ を 入稿 することです。 こうした入稿方法は、データ入稿 とか デジタル入稿 などとも呼びます。
同人誌 の印刷のために、その元となる原稿を届ける方法にはいろいろありますが、電子化 されたデータで入稿する方法がある程度広がったのは、この 「MO入稿」 からでしょう。 それまでの フロッピーディスク では容量が少なすぎ、せいぜい文章主体の同人誌の文字データだけを送るのが精いっぱいでした。 当時の パソコン通信 では、ネット を使ったデータの送信もかなり難しいものでしたし (通信速度が遅いだけでなく、メール に厳しい容量制限があったり、データを置くホスト局の設置もかなり面倒でした)。
しかし 「MO」 の登場により、格段に大容量のデータのやり取りが簡単にできるようになりました。 個人でも入手可能な価格帯での大容量メディアの登場により、趣味 の イラスト や写真、カラー原稿などが簡単に送れたり、それらを含んだ DTP のためのデータがまるごとそのまま送れるようになった点は画期的でした。 当初は 128MB 程度だったMOの容量も、1.2GB 〜 2.6GB とより大容量に拡張され、利便性が大きく向上したのも普及に弾みをつけました。
「CD-ROM」 や 「DVD」 の登場により、活躍の場が徐々に少なく
その後、安価で利便性の高い CD-ROM の登場や、より大容量の DVD の登場、さらに物理的な 「器」 を必要としないネットを使った オンライン入稿 の登場と普及などにより、「MO」 と 「MO入稿」 は徐々に使われることが少なくなっています。
しかし初期の頃から印刷業界でよく利用されていたこと、DVD 登場までは最大容量の普及メディアだった時代が続いていたこともあり、2000年代中ごろ以降になっても、こなれたフォーマットとして 「MO」 を使った入稿を受け付ける印刷屋さんがとても多くなっています。