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精神と時の部屋

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1日が1年のごとし…精神と時の部屋

 「精神と時の部屋」 とは、人気 マンガ 「ドラゴンボール」(原作/ 鳥山明/ 1984年〜1995年/ 全519話/ 集英社) に登場する神殿の中の施設の名称です。 この部屋の中の時間の流れは、外界のそれに比べて圧倒的に早く、外の世界での1日がこの部屋の中では1年(365日) になります。 また空気が薄く温度変化が激しく、重力は10倍で、何もない真っ白な空間となっています。

 登場したのは 「セル編」 で、無敵の完全体となったセルを倒すために、孫悟空や孫悟飯、ベジータ、トランクスらがこの部屋で修行を行い、そのあまりの超絶空間に頭がおかしくなりそうになりながら、それでも短期間で戦闘能力の大幅な向上を図っています。 ある種の異次元空間となります。

自分の部屋に引きこもると、時間はあっという間に過ぎますよね…

 その後この 「精神と時の部屋」 は、例えば 「ギルガメッシュの酒場」(ゲーム 「ウィザードリィ」(Wizardry) の中で、冒険者たちが立ち寄り仲間を見つける架空の酒場) のように、ある種の役割を持った特別な場所、あるいはその暗喩としてそのまま、もしくはアレンジして 概念 や名称が使われるようになりました。

 例えば絵を描くためのデッサンの勉強や練習を必死になってやることを、「精神と時の部屋に篭って、一心不乱に萌えキャラを描いていました」 などといったり、オンラインゲーム (ネトゲ) やRPGゲームを寝食を忘れて熱中してプレイすることを、「精神と時の部屋の住人となって キャラレベルアップ 作業に没頭していました」 なんて表したりします。

 外界から遮断された独特な時間の流れをしている点で、いつ終わるとも知れないデスマーチ (地獄、破綻への行進、例えばソフトウェア 開発 のための過酷な残業の毎日) などを 「精神と時の部屋」 と表現するケースもあります。 いずれにせよ、この場合の 「精神と時の部屋」 は、自分の部屋、アパートやマンション、職場などという閉鎖された空間と云うことになります。

説明不要の普遍的なアニメ、マンガの設定に

 なおこの 「精神と時の部屋」 は、その後他の漫画作品などにもほぼ同じ形で現れるなどして、例えば 宇宙戦艦ヤマトのワープ航法のように、普遍的な説明不要の創作上の概念、設定 のようにもなっています。

 「ワープ航法」 にも 「精神と時の部屋」 にも、元ネタ となるような伝承や過去作品、論理などはありますが (例えば精神と時の部屋で云えば、浦島太郎の竜宮城とか)、それを一般に広く認識させたという点では、やっぱりこれらの日本マンガ、アニメ ということになるんでしょうね。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2003年11月22日)
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