辛い罰だったり甘美なご褒美だったり… 「お仕置き」
「お仕置き」(おしおき) とは、悪いことをした者に肉体的・精神的な罰を与えることです。 一般的には体罰を指し、似た言葉に折檻(せっかん) もありますが、同人 や おたく・腐女子 の世界、あるいはある種の エロ い文脈においては、精神攻撃も含めてもう少し広い意味で使われます。 また特定の ジャンル (例えば SM とか) によっては、直接的な性行為やそれに類する行為のみを指すこともあります。
なお 「お仕置き」 という言葉自体は、「仕置」 に丁寧語の 「お」 を接頭した言葉であり、本来の仕置きは処置や采配、何らかの手段を取ることを指します。 例えば時代劇などで良く耳にする 「天下の仕置き」 と云えば、国を統治したり取り締まるといった意味になります。 「お」 をつけた場合はおおむね子供を懲らしめるための罰を意味する使い方が多くなり、「曲がったことを正す」「躾ける」 という意味が強いでしょう。
なおエロな作品で一番良く使われるフレーズは 「これはお仕置きが必要だな」 でしょう。
「月に代わってお仕置きよ」
「お仕置き」 の関連用語でもっとも有名なもののひとつが、「月に代わってお仕置きよ」 でしょう。 人気 アニメ 「美少女戦士セーラームーン」(1992年〜) の 主人公 月野うさぎが月の戦士セーラームーンに変身し、敵に向かって行う名乗りの決め台詞、打倒宣言です。
作品中の描写では、自身がセーラームーンだと名乗りを上げた後、相手の悪行をあれこれ指摘して 「許せない!」 とした上で、「月に代わってぇ…」(ここでちょっとタメる)「お仕置きよっ!」 といったセリフのテンポに合わせて身体全体を使った歌舞伎の見得のような大げさな決めポーズで決めます (通常は毎回同じバンク (特別なシーンを同じ動画を流用して展開すること) で行われます)。 なお最後の 「お仕置きよっ!」 部分は腕を前でクロスしつつ、右手で相手を指差す形になります。
アニメや マンガ が記録的な大ヒットとなったこともあり、このいかにも時代劇然としたやりとり・云いまわしも大流行。 主な 読者・視聴者層だった女児の間で流行っただけでなく、おたくな人 (大きなお友達) の間でも何かとアレンジされたりして良く使われていました。 ちなみにセーラー戦士はそれぞれ決め台詞を持っていますが、類似の ニュアンス を持つものとしては、セーラームーンの仲間であり火星を守護星とする火野レイ・セーラーマーズの決め台詞 「火星に代わって折檻よ!」 でしょう。
言葉の意味自体は 「天に代わって悪を討つ」 と同じで、それぞれのセーラー戦士が守護星とする月や火星といった天体を天部分に当てはめたものですが、使い勝手が良いので前述したちょっとエロな文脈なども含め、アレンジされたものが無数に存在します。 またアニメが世界中で放映されたこともあり、日本のアニメキャラのセリフとして世界でもっとも有名なものの一つかもしれません。