同人用語の基礎知識

サクサク/ サクっと

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サクッと半荘いっちゃう…? 「サクサク」

 「サクサク」「サクっと」 とは、動きが軽快でスムーズに動作すること、よどみなく順調に物事が進行することをあらわす擬態語のひとつです。 他にもクッキーやビスケット、おせんべいなどを割ったり食べたりする時の軽快な音や食感をあらわす擬音としてもよく耳にしますが、同人おたく の世界で何かを形容して表現する場合には、「軽快だ」「早い」「順調だ」「手短に」 といった意味で使うケースが多いでしょう。

 とくにパソコン (PC) の軽快な動作、気持ちの良い処理速度を1980年代から 「サクっと動く」「処理がサクサク」 などと表現し、パソコン通信 のコミュニティなどを中心に、くだけたパソコン用語のひとつとして広く使われるようになっています。

 軽快な動きをあらわす擬態語としては、アウトローな人たち、ギャンブル関係などでは昔から使われていた擬態語で、中でも麻雀 (マージャン) の世界では、滞ることなく順調・軽快に ゲーム が進むこと、テキパキとしていることを 「サクサク」 と表現したり (進まない場合、「サクサク行こうぜ」 などという)、半荘や一荘 (麻雀の1ゲームとその半分の単位、半荘でおよそ1時間くらい) だけを手短に軽くプレイしようとの意味で、「サクっといこう」 などと使ったりもします。

 なお対義語は、「グズグズ」「トロトロ」「ノロノロ」「もっさり」「重い」「遅い」「トロい」 などになります。

麻雀で誰かが長考するとゲームが止まる、処理が止まる…早いとサクサクと進む

 一般的な麻雀では、4人のプレイヤーがゲーム卓を囲み、136枚ほどの麻雀牌を卓の山牌から引いたり、場 (河) に捨てたりして牌の並び役を作り、得点を競い合ってゲームを行います。 牌を卓から引くことをツモ (自模)、いらない牌を捨てることをターパイ (打牌)、捨てた牌を捨牌と呼び、一連の動作をモウタ (モウダ/ 摸打) と呼び、このモウタを時計回りに1回1牌ずつ繰り返してゲームを進行します。

 その際、自分の持ち牌 (手牌) と引いてきたツモ牌とを見比べ、どの牌を捨てようかとあれこれ悩む人がいます。 通常麻雀は、前の人が牌を捨てたらすぐにツモり、自分もすぐに牌の取捨選択を行い捨てなくてはなりませんが、中には難しい手牌で役作りに悩んだり、誰かの当たり牌かも知れない危険牌を捨てられず、う〜んと考えこんでしまう人もいます (長考といいます)。

 これを度々やられると、ゲームのリズムが崩れ、他の3人は待たされ、プレイ時間だけがどんどん長引いてしまいます。 そこで 「はやくしろ」「将棋じゃねえんだよ」 との意味で使われるのが、サクッといこうぜ、サクサクいこうぜ なのでした。

サクサク=順調・早いの擬態語としての元ネタは…?

ぎゅわんぶらあ自己中心派
「ぎゅわんぶらあ自己中心派」
(片山まさゆき/ 1982年〜/
週刊ヤングマガジン/ 講談社)

 この 「サクサク」 が、いったい何を語源、元ネタ として生まれたのかはハッキリしていないようです。 どこかの方言を語源とし、「軽く」「軽快に」 という意味で、その語感がある 「サクっと」 がギャンブルの世界や夜の町の住人、地方を転々とする建設業者や夜遊びの好きな人たちによってどこかの盛り場で使われるようになり、麻雀をきっかけに広まったような印象がありますが、確認できていません。

 その後この 「サクサク」「サクっと」 は、麻雀劇画などでも使われるようになり、なかでも、「スーパーヅガン」(片山まさゆき/ 1981年6月〜/ 近代麻雀オリジナル)、「ぎゅわんぶらあ自己中心派」(片山まさゆき/ 1982年〜/ 週刊ヤングマガジン)」 で多用。

 いずれも アニメ になるなどメディアミックスされる大ヒット作となったことから、広く一般でも 「サクサク」「サクっと」 が使われるようになったのでした (一連の片山まさゆき氏のマンガでの表現を、こうした使い方での直接の元ネタとする意見もあります)。

パソコンが長考…サクサクいこ〜ぜ

 一方、それからしばらくしてパソコンの世界でも、スペック が低く処理能力が足りなくて動作が遅かったり、ソフトウェアが重くて動きが不安定になったりする様を麻雀の下手なプレイヤーの 「長考」 に喩え、「詰まってる」「もっと早く動け」 との意味で 「サクサクしろ」 との表現が登場。

 その後は軽快に動作するパソコンやソフトウェアを 「サクサク動く」「サクっと動く」 と表現することが定着。 パソコン雑誌のハードウェアのレビュー記事や、秋葉原 のパソコンショップなどの宣伝文句やPOPのキャッチフレーズなどにも利用され、定着するようになりました (パソコン雑誌での使用例が最初との印象もありますが、未確認です)。 1990年代からは、ネット の回線の通信速度が早いとの意味でも使われるようになり、なかでも ADSL が普及し始めた頃に、それ以前の通信規格と比して、「インターネット もサクサクできる」 といった表現が数多く業者などでも使われて定着しています。

 これについては、前述した片山まさゆき氏のマンガを元ネタとして、若者言葉として 「サクっといく」 が1980年代には定着していたこと、さらに同マンガを原作とするファミコンソフトやコンピュータゲームなどが既に発売されており、広告やレビュー記事などで使われた 「サクっといこうぜ」 が、「素早くテキパキと動く」 との意味で 二次流通 していたのも大きいのでしょう。

一方、アニメや動画、ゲームでは、「ぬるぬる」 との表現も

 なお同じパソコンやコンピュータ関係でも、動画やゲームの画面がサクサクと遅延なく動くことは、一般に ぬるぬる動く、ぬるぬる などと呼ぶようになっています。

 また iPhone が登場しスマホ (スマートフォン) が普及しだすと、スマホの画面遷移 (スワイプして画面を左右上下に動かす) の動きがなめらかで軽快なさまを 「ヌルサク」(ヌルヌル・サクサク) と呼ぶようにもなっています。 画面を瞬間的に切り替えるのではなく連続してすべるように切り替える動作がヌルヌル・サクサクの要素を兼ね備えていることもあり、なめらかに画面が遷移する端末の性能に対する誉め言葉としてよく使われています。

 ちなみに視点を目まぐるしく変える、対象となるキャラなどの被写体がスピーディーかつ自在に回転することは、とくに ぐりぐり動く、グリグリ などと云います。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2004年10月6日)
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