風俗嬢相手の経験しかない非童貞…「素人童貞」
「素人童貞」(しろうとどうてい) とは、セックスを経験してはいるものの、その性行為の相手が風俗などの 「商売女性」 だけの男性のことです。 逆に性風俗産業の経験がない場合には、「風俗童貞」 などの呼び方もします。
日本では1957年4月1日施行の売春防止法によって 「客引きをして商売としてセックスすること」 は違法とされていますが、実際は性行為を行う非合法の風俗店などがたくさんあります。 建前上はお風呂に入りに行ったり、マッサージを受けに行くだけなのですが、「その場で客と嬢とに恋愛感情が芽生えて性行為に至ったとしても、恋愛感情は法で罰することができない」 というわけで、売春のための客引きがなく、当事者同士が黙っていれば、発覚することは稀です。
こうした風俗店を利用すれば、ある程度のお金を払えば誰でも性行為自体は行えるので、「女性器に自分の男性器を挿入する」 という物理的な意味でのセックスは、昔も今もそれほどたいした意味もなく 「誰でも簡単に経験可能」 となります。
従ってここでいう 「素人童貞」 とは、物理的・肉体的なセックスは経験しているけれど、「自分の男性としての魅力で一般人 (素人) を口説き落として行為に至る」「男女が愛し合い、その愛を確かめるためにセックスをする」 というメンタルな部分のプロセスを経ていない男性を揶揄したり馬鹿にしたり、そうした男性が自嘲するために使うような言葉となっています。 「下半身は非童貞だけど、心や精神は童貞のままだ」「心の童貞だ」 という訳です。
「金でズルをした」 という点で、ゲーム の チート や アイテム をリアルマネーで売買する RMT になぞらえ、一部では 「チート非童貞」「RMT非童貞」「課金 非童貞」 などと呼称する場合もあります。
下半身は非童貞だけど、心は童貞だ 的な価値観
ここらは、例えば同じカブトムシを持ってはいても、自分で森林に捕りにいった場合と、親にデパートの昆虫売り場で買って貰った場合とで、その価値に明確な違い、勲章のような価値を区分して子供たちが引いているのと同じですね。 確かに同じカブトムシですが、「自分で捕まえないと意味がない」 という訳です (もちろん女性とカブトムシが男にとって同列という訳では全然ありませんが)。
恋愛やセックスの、とりわけ思春期や若年期の心、メンタルに与える影響はものすごいものがありますが (実際に経験した、しないに関わらず、その影響は人格形成のかなり大きな部分を占めるでしょう)、自分の男としての魅力で行為に至らず、「金で解決した」「金で買った」 というのは、他人がどうこう言うよりも、実は本人が結構深刻に捉えているケースも多いものです (とくに非風俗の体験がない場合、大きな引け目になりやすいようです)。
なお 童貞 ではない人を 非童貞 と呼びますが、こうした 「風俗で童貞を捨てた人」 を蔑んだり、「金でセックスしまくる人」 を罵倒する言葉に、「非童貞」 の言い換えで 非道童貞 などと呼ぶ場合もあります。