わかったわかった…で、その話は何のエロゲなんだ?
「それなんてエロゲ」 とは、他人が話したり ネット の 掲示板 に 書き込み をした恋愛話 (恋話/ コイバナ) を、「それは何のエロゲ (エロゲー) のストーリーの説明なんだ?」 と、作り話、妄想 だと決め付けて茶化すような意味の言葉です。
とりわけその話の中の 設定、シチュエーション が 「エロゲっぽい」 もの、例えば街角で女の子とぶつかって転倒、その後その子が自分のクラスに転校してきて事件が始まった (ボーイ・ミーツ・ガール) とか、幼馴染 の女の子がベランダから自分の部屋に勝手に侵入してくるとか、不良に絡まれているところを偶然助けたとか、あるいは彼女が不治の病で余命いくばくもない…とか、それらいかにもありがちな、そして妙にドラマチックで出来すぎた筋書きだと、使われるケースが多いようです。
なお 「エロゲー」 とは、パソコンなどで遊ぶ ゲーム の一種で、美少女恋愛ゲームやアダルトなアドベンチャーゲーム、ビジュアルノベルゲームなどのことです。
空前の 「エロゲブーム」 と 「あやわー」
,.r''´ ; ヽ、 ,ri' 、r-‐ー―'ー-、'ヽ、 r;: r'´ ヽ ヽ (,;_ 、 l ::::i 'i、 r'´ i' _, _,.:_:::i il! ヾ ,r -';! '''r,.,=,、" ::rrrテ; ::lr )) ! ;、 .:::;! `´' :::. ' .::i: ,i' `-r,.ィ::i. :' _ :::;:. .::::!´ .l:i. .__`´__,::i:::::l r-i. 、_,.: .::/ !:::;::! ::.、 .:::r,! l::::::::ト __` 二..-',r'::::-、 l;::i' l:  ̄,.rt':::::::/ ` -、 ,r' ´ ヽr'ヽr'i::::::::;!'´ ソレナンテ=エ=ロゲ[Sorenant et Roage] (1599〜1664 フランス) |
ソレナンテ=エ=ロゲ AA |
発祥の地は掲示板 「あやしいわーるど」 の アニメ やゲーム関連の板とされ、1990年代の末 (1999年10月頃) に、「それなんてエロゲ」 という形で登場したようです。
知らない人が初めて聞いても意味がなんとなく分かる 普通 の日本語であること、またそれ以前にも、やたらスケールが大きかったりドラマチック過ぎる体験談などを話す人に、「それは何の映画の話ですか?」 などと 「作り話、嘘であるのを見破って茶化す、揶揄する」 ような表現もありましたから、そのままネット上のあちこちに伝播し慣用句として使われるようになったようです。
なお発祥当時の本来の意味で云えば、「エロゲみたいな話だな、作り話もほどほどに」 といった冷ややかな ニュアンス だったんですが、その後 「エロゲみたいなドラマチックな恋愛で羨ましい」 といった意味で使われるケースも現れ、さらにリアル体験の恋愛話をしている本人が、「それなんてエロゲ的な恋愛をしちゃいました」 などと、ドラマチックな恋愛そのものを 「エロゲ」 になぞらえて自称するケースもでています。
後に ローマ字略語化 し、
「それなんてエロゲ」=「Sore Nante Ero Ge」=「sneg」
なんて書かれるケースもあります。
また適当なAAにそれっぽい適当な名前をつけてネットスラングなどを紹介する アスキーアート として、「ソレナンテ=エ=ロゲ」 などというパターンもあります。
「葉鍵」 を中心に、恋愛ストーリーがあふれた時代
言葉が生まれのは 1990年代末となっていますが、この頃、いわゆる 「エロゲ」「美少女ゲーム」 が、単なる オナニー の おかず、「ズリネタ」 の範疇から大きく飛び出し、「シナリオが素晴らしくて感動できるエロゲ」「泣けるエロゲ」 として発展。 インターネット の普及も始まったばかりで、まだまだ おたく な人の割合がずっと高かったネット上で、全体を巻き込むような大ブームとなっていました。
ブームの発火点となり牽引したのは 「雫」(1996年1月26日)、「痕」(1996年7月26日)、「ToHeart」(1997年5月23日)、「WHITE ALBUM」(1998年5月1日) などを立て続けにリリース、ヒットさせた 「Leaf」 や、1999年6月4日発売の 「Kanon」 で一時代を築いた 「Key」 などでしたが、これら 「葉鍵」(掲示板 2ちゃんねる の外郭掲示板、PINKちゃんねる 「leaf,key掲示板」 に由来) を中心に、ネットで 「エロゲ」 が盛り上がっていました。 当時はそれらの作品の マンガ や イラスト などの 二次創作 はもちろん、膨大な数の SS (ショートストーリー) が発表されていて、「ドラマチックな恋愛ストーリー」 があふれ返っている時期でした。
そんな中で、やたらドラマチックな恋愛話をネットでされても、リアリティを感じるというより、やっぱり 「それなんてエロゲ?」 になってしまうような気がしますw もちろん茶化したり冷やかす言葉ではあるのですが、この頃には一部の ファン の間で、「エロゲ」 はある種の理想的な 純愛、あるいは切ない恋愛ストーリーと重ね合わせて認識されていたので、単なる罵倒や揶揄の言葉ではなかったのかも知れません。
なお似たような使われ方をする言葉に、「映画化決定」「エロゲ化決定」 なんてのもあります。