痛いぐらいに怒張したアレの状態のことです
「フル勃起」(ふるぼっき) とは、男性の性器がもう痛いくらいにそそり立ち、これ以上ないくらい怒張・勃起した状態を指す言葉です。 しかもムクムクと頭をもたげるというよりは、瞬間的に 100%状態に一気に到達するようなスピード感もしばしば持った表現で、通常の 「勃起」「おっき」 や 「エレクト」 などとはまた違ったテンションを持つ表現ともなっています (そのわりには、気軽にあちこちで使われますが…)。
もっぱら自分の 性癖・好み (性的な意味で) を存分に満たしたストライクゾーンど真ん中、もうこれ以上望むべくもない最強のパートナー、もしくは オナニー のための パーフェクト な 「おかず」 を手にした、あるいは目にした時にでる言葉となっています。
なお 「期待はずれだった」「興味がない」「感じない」 などという場合の 「フル勃起」 の対義語としては、「半立ちだ」「ピクリともしない」「むしろ萎えた」 もしくは 「チェンジ」「AVウンコ」「誰得」 なんて感じになります。 一方、「勃起するほどではないが、何か気になる」「好きではないが、どこか興味を惹かれる」 などという場合には、「ちょっと動いた」「むずむずしてきた」、あるいは 「きんたまがふっくらしてきた」 などと表現する場合もあります。
Full + ○○ という言葉
なお言葉自体は単純な構造 (Full + 勃起) ですので昔からあった言葉ですが、直接の 元ネタ としては、自動車業界用語の 「フル装備」 あたりが、転用されたと 筆者 は見ています。 クルマにおけるフル装備の定義は時代によって多少変わりますが、原則的には 「エアコン」(クーラー)、「パワーステアリング」(パワステ)、「パワーウィンドウ」 などの 「ディーラーオプション 装備」 が全てついている状態を指します。
1960年代にクルマが一般化して、国産車でも高級セダンにフル装備車が登場し大きく発展する時期に言葉として生まれ、それが男性週刊誌あたりで下ネタにもフルが接頭語として使われるようになったという感じでしょうか? (クルマの ネタ とセックスネタは、男性週刊誌の 定番 ですからね…ちなみにフル装備は、後にオーディオが加わり、今は GPS カーナビあたりまでは含める考え方が多いようです)。
そしてこの言葉は、近年にあっても ネット の 掲示板 などでは頻繁に目にする形容詞のひとつとなっています。
ラッキョウのような可愛い一物が、何倍にも膨らんで黒光りするマグナムに…
日本語で似た表現としては、擬音や擬態語を使った 「ピンピンに立つ」「ピン立ち」「ちんこビンビン」、形状を述べる 「反り返ってヘソにあたる」「腹に 刺さる」 や、「先走り汁出まくり」「カウパー腺液噴水状態」「ガマン汁がガマンできない」 なんて 汁系 で表現する場合もあります。 また 30代、40代男性などの場合は、「10代の頃のように勃起」 とか、「夜なのに朝立ち」 などと表現したりもします。
勃起自体の語源はギリシャ語の 「Phallus」(膨らむ) で、勃起したおちんちん、と云うよりは、通常のおちんちん (Penis/ ペニス) とはもはや別物の扱いとなっている場合が多いようです。 「勃起したペニス」 ではなく、もはやこれは 「ファルス」 である、という訳です。 ただし日本語として直訳する場合は、どちらも 「陰茎」「おちんちん」 となりますね。
医学的には、ペニス内部の海綿体に血液が充満して、その圧力でそそり立ち、性交を容易にするための男性側の準備のような感じです。 本人がそれを意思で制御するのは不可能に近く、ご先祖様から営々と受け継いだDNAに問答無用で命令され、本能が目覚めた不可抗力の状態とも云えます。
ED という言葉も提唱されるようになっています
なお 「勃起不全」(ED/ Erectile Dysfunction/ 以前はインポテンツ、インポなどとも呼んでいました) となっている男性でなければ、性的興奮状態となった男性ならば通常誰でもが自然と生じる生理現象そのものですが、個人差、本人の年齢などにより 「そそり立つ角度」 はバラバラで、他人が 「半立ち」 でも、それが別人のフル勃起の場合もありますから、ようは本人が自分の性的興奮をどう表現するかの違いになるかと思います。
加齢とともに血気も収まり、興奮しているのにフニャチンだったりするとガッカリですが、電車の中とか天下の往来で無分別に勃起するのも困ります。 その場合は前かがみになる、ズボンのポケットに手を入れて、ズボンの中で手で押さえるなんて対処法もありますが、精神だけではコントロール不能なところもあり、なんともしがたいところです。