完璧なものは美しい… 「パーフェクト」
「パーフェクト」 とは、完全だ、完璧だといった意味の言葉です。 英語の Perfect 自体がそういう意味なのでそのまんまではありますが、例えば 「パーフェクトコレクション」 の場合は フルコンプ しており、抜けがない完全なコレクションだといった意味になります。
おたく や 腐女子 の世界では、これ以外にも、寸分の狂いなく完全だ、完璧に同じだとの意味で使われることも多いでしょう。 「〇〇パーフェクト」 といった形で対象名にパーフェクトを接尾して賞賛したり、あるいは完璧な状態にする、完全一致、完全再現しろといった意味で使う場合もあります。
ゲームの世界で使う 「フレームパーフェクト」 や 「パーフェクト」
ゲーム においてよく使われるパーフェクト表現に 「フレームパーフェクト」 があります。 ゲームの画面表示でフレーム (コマ) を1フレーム (1/60秒) も無駄にしないとか、その1フレームが完璧で 勝利 したとか、ゲーム中の動きを完全に再現するみたいな意味で使うことがあります。 とくに格ゲー (格闘ゲーム) の頂点に位置する プレイヤー 同士の戦いなどは、しばしば1フレーム単位のシビアな争いにもなるので、プロゲーマーの超人的なプレイを評価するためにこの言葉が使われることがあります。
またゲームの キャラ や 装備品 などにコレクション要素があったり、確率により結果が変わる育成要素がある場合、現時点でそれ以上が存在しない最強の状態になったことをパーフェクトと呼ぶこともあります。 キャラや防具を集めるためにはプレイヤーは何度も 周回 したり、育成時に能力値 (パラメータ) やジョブの種類などが最適なものになるまで何度も同じ作業を繰り返します (厳選)。 苦労して完璧な状態になったキャラや武器などは、頼もしい戦力になるでしょう。 なおキャラの レベル や ステータス が上限に達した場合は カンスト と呼びます。
動画編集の世界で使う 「フレームパーフェクト」
動画の 編集 の際にも、フレーム単位の正確さを求めたり実現することを 「フレームパーフェクト」 と呼ぶことがあります。 動画の場合、そもそもがフレーム単位 (再生時間単位) で編集するものではありますが、ひと昔前は8ミリシネにせよ ビデオ の ABロール編集 にせよ、タイムライン を見ながらフレーム単位 (コマ送り) で制御するのはそれなりの機材が必要など面倒なものでした。 現在はパソコンで動画を扱えるようになり、かなり楽に行えるようになりました。 逆に凝ったりこだわりだすといつまでも完成しなかったりもしますが。
さらに何らかの動画を完全再現した動画を制作する際にも、フレーム単位で忠実に再現したものをフレームパーフェクトと呼んで賞賛することがあります。 この場合、一致具合を示すために、画面上に2つもしくはそれ以上の数の動画を並べ、それぞれを同時に再生してシンクロさせながら見比べるような形式で制作することもあります。 こういった動画は 同時再生動画 (2画面再生動画) と呼ぶこともあります。
意味があるような、ないような「ピクセルパーフェクト」
ホームページ の制作や 印刷 といったコンピュータを使ったデザインワーク (DTP) の世界では、「ピクセルパーフェクト」 といった言い回しもあります。 1ピクセルもズレることなく完全に再現しろとか、綺麗に要素を並べろといった意味になります。
代表的なのはホームページのデザインやコーティングの世界のピクセルパーフェクトでしょう。 サイトの画面は最終的に HTML によってコーティングされ ネット で公開されますが、これをデザインした通りに完全に再現しろとの意味になります。 とはいえホームページなどは閲覧者の 環境 によっても表示内容は変化しますし、実際のところ完全に再現するとなると 画像 で表示するのが一番簡単だみたいなことになりがちです。 しかしクライアントから1ピクもズレるなみたいな要望もされがちなので、苦労することもあります。
紙媒体での印刷分野ではレイアウトやオブジェクトの配置が完全にコントロール可能なので、ピクセルパーフェクトは当然というか前提となっています。 ただし挿入する画像を縮小したり様々な要素をレイアウトする際に細い直線といった要素に若干のブレが生じているように見えることもあります。 この場合は印刷後の仕上がりなどを考慮しつつ、細かい調整をすることになります。
「パーフェクト」+ 「完璧」 で 「パーペキ」
パーフェクトのちょっとくだけた云い方に 「パーペキ」 があります。 これはパーフェクトと完璧を合わせた言葉で、小林よしのりさんの マンガ 「東大一直線」(1976年) が 元ネタ となります。 メガヒットとなった 「おぼっちゃまくん」(1986年) の 主人公 御坊茶魔 の語録から生じた数多くの言葉がその後 「茶魔語」 として大流行しますが、同氏のデビュー作の時点で 「すぺぺっ」「ぐぴぴっ」「パープリン」「激バカ」 はじめいろんな流行語が生まれていました。
なかでもこの 「パーペキ」 は使い勝手が良い上に言葉としての完成度も高いためか、「パープリン」 と並んでかなり長い間に渡って一般用語のような扱いで使われ続けていた記憶があります。 ちなみに 筆者 は、昼間と夜を合わせた 「まっぴょるま」 が個人的に好きで当時よく使ってました。