同人用語の基礎知識

こん**は

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24時間対応可能な挨拶?…「こん**は」

 「こん**は」 とは、「こんにちは」 と 「こんばんは」 を兼ねた挨拶です。

 「*」 の部分を読む人の都合 (時間帯) によって 「にち」 や 「ばん」 に読み替えてもらい、朝から昼、夜まで、どんな シチュエーション でも意味が通じる 「シャレの効いた挨拶」 として考案され登場。 パソコン通信 時代の ネットスラング として、1980年代頃から1990年代全般にかけて使われるようになっています。

 主に使われていたのは 電子掲示板電子メール (Eメール) などの挨拶で、当時は通信コストの面から常時接続など無理であり、書き込みメールリアルタイム でやり取りすることも無理だったので (たいていは巡回先を自動で回ってログを取得するスクリプトなどを使っていったん内容を ダウンロード、その後 オフライン で読んでいた)、自分の書き込みやメールを相手がいつ読むかわからないため、こうしたシャレが使われるようになりました。

 とはいえ携帯電話のメールなどと違い、2000年代以降の常時接続当たり前の時代になっても、メールや掲示板などを四六時中チェックしている人が全てではありませんから、現在でもこうした 「こん**は」 といった言葉の意義は失われておらず、実際にこの言葉を挨拶として使う人もいます。 しかしその数は、2000年代になり、激減しているといえるでしょう。

 これは 「こん**は」 という言い回しが古臭くなったこともありますが、そもそも掲示板や友人らへのメールで、いちいち回りくどい挨拶を文章の冒頭に書かなくなった点も大きいと思います。

ネット特有の 「時間感覚」 と 「距離感」

 1980年代から1990年代は、普及率の低いパソ通以外は、手紙 (郵政メール/ 到着するまでに数日かかる) と電話やポケベル (リアルタイム) しか通信手段はありませんでした (あとはせいぜい、アマチュア無線 (ハム) があった程度)。

 ネット の電子メールや掲示板は、その中間を埋めるような存在となっており、その独特の 「時間の感覚」「距離感」 は、ネット利用者にとって 「初めての体験」 でもありました。 そこでこうした 「新しい通信手段が当たり前の時代にふさわしい挨拶」 が、シャレや ネタ として、あるいは半分は本気で、考えられていた時代だったこともあります。

 なおこの 「こん**は」 は、もっぱら おたく な人がよく使っていて (当時のネットの利用者にそういう人が多かったこともありますが)、その意味でこの挨拶も おたく用語 のひとつとも認識されていたりします。 もちろん、ビジネスメールや目上の人に対する正式なメールで使えるような言葉ではありません。

似た言葉に 「おはこんばんちは」

 似た表現に 「おはこんばんちは」 という言い回しもあります。 これは 「おはよう」「こんにちは」「こんばんは」 を全て合体させた言葉で、「こん**は」 と同じように見る人が自分の都合にあわせて挨拶を選んで下さいという形の言葉となっています。

 この言葉の 元ネタ は、鳥山明氏の 漫画 「Dr.スランプ」(1980年1月〜)、及びそれを原作とする アニメ作品 「Dr.スランプ アラレちゃん」(1981年4月〜) の作中セリフ (則巻アラレが使って則巻千兵衛に叱られていた) に由来します。

 マンガ、アニメともに大人気となり、「んちゃ」「ばいちゃ」「ほよよ」 などとともに 「アラレちゃん語」 として言い回しが流行していましたが、はやり過ぎたためにその後急速に陳腐化。 しかしその後 一周回って、その 痛さ を遊ぶ形でパソ通時代にも再度流行しています。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2002年1月18日)
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