その気がない… Non 気で 「ノンケ」
「ノンケ」 とは、異性愛者 (男女の組み合わせを好む男性もしくは女性) を指す言葉です。 つまり恋愛対象やパートナーに望む相手が、異性であるのを好む人となります。 語源ですが、同性愛者から見た時に、「その気がない」、すなわち 「Non 気」 であると判断され、そのまま 「ノンケ」 と呼ばれるようになりました。 ストレート、ノーマル、ヘテロ、一般人 などとも呼びます。
元々は、日本の ゲイ や レズ などの同性愛者が 1960年〜1970代頃から使い始めた言葉で、ある種の隠語のようなものでした。 しかし 同人 の世界では、むしろ同性同士の組み合わせ、カップリング が多かったこともあり、コミケ 界隈 でも頻繁に使われるようになりました。
ただし、創作物、ファンタジーとしての やおい と現実の同性愛とは全く違うという考えも、同人関係者、あるいは同性愛者の方でも強く (そうでない人も多い)、リアルな同性愛の 現場 で使われている隠語や シチュエーション (例えば 「ハッテン場」 や 「ウリ専」 など) を、無意味に生々しいとしてことさらに 「やおい」 作品中に使うのを避ける空気もあります。 一方で、イケメン のように、完全に一般用語になったような言葉もあります。
体は女だけど心は男…その場合は同性愛?
なお自分の 「性自認」(自分が男なのか女なのかの意識) とは違う性を望む相手に限ると厳密に定義する場合もあります。 例えば 「性同一性障害」(Gender Identity Disorder) などで体は女だけれど心は男、などという場合には、女性をパートナーとしていても、狭義では 「ノンケ」 となります。 体についているものより、内面のありよう、「心」 が何より重要視される訳です。
さらに云うと、パートナーが 「相手が好きだから身を委ねる」 のか、「同性愛者で相手が好きだから身をゆだねる」 のかは、似ているようで大きく違う問題です。 しばしば同性愛経験のない同性愛者の場合、ここらが本人にはわからない場合もあり、「先輩であるタチ役(攻め)」 が、それを正しく判断すべきとの認識もあります。
ここらは異性愛であっても、例えば男性側が積極的な女性からの求めを、相手のことを心から考えて、あるいは自分の行為によって汚したり、壊したりすることに怯えてあえて拒否するなんてケースと同じですね。 必ずしも 「ベッドを共にする」「互いの裸を確認しあう」「肉体関係を結ぶ」 のが、最高の愛情表現とは限りません。
リアル同性愛者の引くべきラインと、創作物のアレ
性の営みは、それが異性愛であれ同性愛であれ、両者の合意が大前提です。 また仮に互いが信頼し合い愛し合っていたとして、それがベッドを共にする感情であるのかないのかとは、また別の問題です。 一般的には同性愛者がそれと知って 「ノンケ」 に手を出すのはご法度とされ、それとなくシグナルを出して 「ノンケ」 だと判断したら身を引く、ってのが、不文律のルールのようになっているようです。
ただし 漫画 や アニメ の創作物では、「ノンケでもかまわず食う」 的な キャラ が、しばしば登場します。