自ら去ったり追い出されたり… 「退場」
「退場」 とは、退出すること、その場から退くこと、あるいは退かされること、追い出されることです。 転じて創作物の世界においては作品に登場する キャラクター が物語中の役割を終え、出番がなくなること、消滅してしまうことも指します。
キャラが退場と云っても、主人公 が消えてしまっては物語が続かなくなってしまうため、おおむね退場するのは主人公のライバルや 脇役 としてのキャラが多いでしょう。 単に出番がなくなって存在が自然消滅する場合もあれば、主人公から離れてどこかへ行ってしまうとか、敵として登場して勝負に敗れて死んだり、作品内世界で失脚して社会的に消滅するような描写となるケースもあります。
とくに登場してすぐに敗北や失敗などにより消えるような状況は出オチ、たった一回の失敗で消えることは即退場とか一発退場と呼ばれることもあります。 一方、一度退場したキャラが何かの拍子に戻ってくることもあります。 その場合は 復帰 と同時に主人公の敵だったキャラは味方に、味方だったキャラは敵へと、物語中のポジションが変わっていることもあります。 この場合は出戻りとかカムバックと呼ぶこともあります。
物語世界とスポーツの世界における退場
退場という言葉自体は 普通 の日本語であり、大きく分けて2つのパターンがあります。 一つは、単にその場から立ち去ることだけを意味する使い方です。 例えばスポーツの大会や試合で自分の競技を終えたので、その場から去るといったケースです。 ある世界で第一線や現役から退くといった場合は 引退 と呼ぶこともあります。
もう一つは、何らかの罰則・ペナルティを受ける形でその場から出ていくよう促される意味があります。 一発退場などといった場合は、スポーツの試合などで反則・ルール違反・不正・非紳士的行為を犯して、本人の意思に反して審判から退場やその後の試合の出場停止を命じられることを指します。
字義どおりの意味で使われる一方、様々なケースの比喩としても用いられます。 前述した マンガ や アニメ といった物語中のキャラのそれについては、もっぱらスポーツの試合における退場や退場処分が言葉の成り立ちに影響しているのでしょう。 退場まではしないけれど、退場させられても仕方がないほどの失態や、それに伴う極端な存在感の喪失があった場合は、サッカーのそれに倣って 「イエローカード」「レッドカード」 といった云い回しが使われることもあります。
ただし、比較的重要なキャラの場合、単に退場するのではなく、いわば最後の花道のような華々しい演出がされることもあります。 これらは格闘技のプロレスにおける退場 (入場時と同様に、その選手のテーマ曲が流れたりする) が近いかもしれません。
なおその場から退場させられるだけでなく、以降も入場できなくなることは 「出禁 (出入り禁止)」、あるいは アカウント の登録や ログイン が必要な ネット のサービスから追放されるのであれば 「BAN」 などと呼ばれます。