同人用語の基礎知識

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自宅でコスプレ! 「宅コス」

 「宅コス」 とは、自宅で コスプレ をすることです。

 コスプレは コミケ といった 同人誌即売会 やゲームショーなどの おたく腐女子 が集う イベント で、有志らによって行われるコスチュームによる創作表現です。 衣装創りやメイクを楽しむ他、他人に見てもらったり写真を撮ったり撮られたり、写真集などを作ったりするのが主な活動内容です。

 自宅では自分以外にギャラリーはいませんから、誰かに披露することが前提の一般のコスプレとはやや異なるものとも云えますが、第三者に公開するしないは創作活動の核心部分ではないので、一人こっそりと楽しむコスプレはかなり昔から存在します (ただし外に出ないので人目に触れず 認知 はされません)。

 1990年代中頃から ネット が普及し始まると、イベントには コス参加 しないけれど自宅で撮影したコスプレ姿を第三者に写真や 画像 の形で公開はするといった活動も増え、当初は 「宅コス」 とは呼ばれなかったものの、コスプレ活動の一形態として徐々に認知されるようになっています。

 とくに2010年代になり、いわゆるハロウィンが盛り上がる中で、これまでコスプレとかおたく・腐女子的な文化と無縁だったような人たちが、自宅やそれに近いクローズドな場でちょっとした扮装をするのをそう呼ぶこともあります。 なお自宅で何かをすることを 「宅〇〇」 と呼ぶのは、お酒を街中の飲み屋さんではなく家で飲むことを 「宅呑み」 といった形で表現するなど、比較的新しく定着したとてもポピュラーな表現です。

ネットとデジカメの普及により広がる 「宅コス」

 「宅コス」 という言葉が比較的使われていたのは、イベントにコスプレで参加する予定だったけれど参加できなくなったといった時に、せっかくコスチュームを作ったのにもったいないからせめて自宅で… といったケースが多かったかも知れません。 あくまで 「イベントコス」 の対概念としての 「宅コス」 といった扱いですね。

 その後 2000年代前後になるとコスプレ趣味もより広く行われるようになり、写真撮影なども盛んになります。 とりわけそれまでのフィルムカメラ (銀塩カメラ) に代わり携帯電話端末による 写メール やデジカメが一般化すると、カメラ店で現像やプリントに出す必要がなく、自分の気に入った写真を何枚でも撮れ、加工なども容易になったことが大きかったようです。

 この頃からイベントにはほとんど、あるいは一切参加しない自宅コスプレ専門のような レイヤーさん なども現れ、一部は1990年代後半に話題となった ネットアイドル (ネトア) などとも人や価値観を 共有 して広まるようになっています。 とくに 動画サイト ニコニコ動画で 2007年12月25日より始まったニコニコ生放送 (ニコ生) が話題となると、コスプレした姿で 配信 を行う 配信者生主) も多数登場。 人気を得るようになっています。

2020年からの 「新型コロナウイルス」 流行によって広がる 「宅コス」

 2020年、世界中で新型コロナウイルス感染症が猛威を振るいます。 日本でも感染を防ぐために 不要不急 の外出は避けましょうとか人が集まって生じる 濃厚接触 を防ぎましょうとの声が高まり、様々なイベントが中止になりました。 コスプレができる同人イベントもほぼ全てが中止になったり、ギリギリ開催されても参加の見合わせが続く中、自宅でコスプレする人たちが数多く登場しました。

 コミケといった大きなイベントが延期や中止となった際には、本来の開催日に合わせて SNS で使われるそれ専用の ハッシュタグ なども登場し、いわゆるエアコミケ参加の一形態として宅コスがクローズアップされることにもなっています。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2008年4月17日)
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