2000年代になり、写真集を自主発行するレイヤーさんも 「露出系コスプレ」
「露出系コスプレ」 とは、水着 やそれに近いコスチューム、やたら肌の 露出 面積が多いコスチュームを好んで着用する コスプレ、あるいはそれを行っている コスプレイヤー (レイヤー) さんのことです。
性風俗的な意味での露出系コスプレと区別するために、「サブカル露出系コスプレ」 とか 「版権露出コスプレ」 と呼んだり、そのまんまの意味で 「エロコスプレ」(エロコス)、「肌だし系コスプレ」(肌だし系)、あるいは 着エロ などと呼ぶ場合もあります。
同人イベント の世界でコスプレが広く 認知 され始めた1980年代には、すでにこれ以上露出できないだろう…という ビキニ水着 姿のコスプレ (「うる星やつら」 のラムちゃん) が登場していましたし、水着までいかなくても、極端な ミニスカート だったり、体の一部が露出するタイプのコスチュームはコスプレではつきものです。
しばしばマスコミなどから興味本位でことさらに大げさに取り上げられたり、会場の外にまでコスプレ姿のまま出歩くマナー違反のコスプレイヤーの登場で社会的に見る目が厳しくなったり、さらには ローアングラー や 盗撮 など犯罪スレスレもしくは犯罪そのものの トラブル なども起こり、何かと揉め事の絶えない難しい カテゴリ となりますね。
こうした動きは、バブル期に一気に盛り上がったキャンギャルやレースクィーンのような刺激的でセクシーな衣装を身にまとった女性の台頭や活躍の場の爆発的増加、1990年代末の ネットアイドル の人気などから、「コスプレ」 との境界線があいまいなまま発展しますが、2000年代初頭の メイド喫茶 の登場とブーム、2003年頃からの着エロの人気などから、オタク の世界でも逆に強く認知されるようになりました。
女の子自らがモデルとなりカメラマンとなり写真集を発表
コスプレイヤーの 「写真撮影」 は、長らく男性の独擅場でした。 俗に カメコ などと呼びますが、プロっぽい写真、プロっぽいポートレートを撮るにはそれなりの技術と機材が必要ですし、高額の一眼レフカメラやレンズを買い揃えるのにはある程度の経済力がいり、また重い撮影機材を イベント会場 に持ち込む体力、膨大な撮影ネガフィルムを現像しまとめる手間も大変なものです。
ところが2000年代となり、デジカメが本格的に普及。 また2005年頃からは、比較的安価な一眼レフデジカメ (5万円〜10万円程度もあれば、とりあえず一式揃う) が登場し、さらに フォトショップ などのフォトレタッチソフトの価格下落や普及もあり、「それまでプロやプロなみの機材や技術が必要だった写真が、それなりに手軽に実現できるようになった」 のが、大きいのでしょう。
モデルとなる女性とカメラマンとなる男性が協力し、同人的 にコスプレの写真集を作るサークルなどはそれなりの歴史がありますが、2000年代になってから、コスプレイヤーである女性が自分たちで撮影した自分や仲間の写真を、CD-ROM などの電子写真集として 頒布 するケースも、たいへん多くなっています。
イベントへの コスプレ参加 だけではなく、写真作品を出品する サークル参加 も増えてきました。 そのスペースに訪れる 一般参加者 の多くが若い男性だということもあり、「売り上げを伸ばすため」 の過激さも、年々高まるようになっています (一説には、コミケ で頒布されるこの手の写真集の2割から半数近くが内容的にNGで頒布差し止め処分を受けているとも云われ、実質的にプロ業者が仕切っているようなものもあります)。
親密感を演出し、タレント並みの人気を得るケースも
また逆に、そうしたプロっぽい写真 (極論すれば、構図に凝り、大口径レンズの効果によって被写界深度が浅くなった ボケ 写真 (背景が ボケ て手前の人物が浮き上がるような演出がされた写真) をあえて避け、「自分撮り」「勝手撮り」「一人撮り」 と称してコンパクトカメラ (コンデジ) や携帯電話のカメラを使った写真、それをまとめて手作り写真集としているようなものを好んで制作するコスプレイヤーさんなどもいます。
この場合は、徹底してレイヤーさんご本人以外の要素 (とりわけカメラマンとしての男性の存在) を作品から消し去り、生活に密着した場所で撮影することによるプライベート感、私生活を覗き見せるような密着感や親密感を演出して、作品の人気ではなくレイヤーさん個人の ファン を獲得しているケースなどもあります。
趣味 としてこうした活動のみを行なっているレイヤーもいますが、人によっては普段はメイド喫茶の店員をしていたり、個人撮影 (個撮) のモデルを仕事として行なっている人のケースで、半ば本業の プロモーション、宣伝の一環として、こうした作品を頒布している場合もあります。