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夏の定番! 公共の場で着る事が出来る最大肌色面積着 「ビキニ」

 「ビキニ」(Bikini) とは、上下がブラジャー状のトップスと短めのパンツ (ボトムス) に分かれて腹部を 露出 した、主に女性用のセパレート (ツーピース) 水着のことです。 上下が一体化したワンピース水着 (例えば スク水) との対比として使われ、肌を露出してボディラインを強調するとともに、胸や腰といった布で隠されている部分も際立たせるデザイン上の特徴があります。 ワンピース型に比べ着脱が楽、競技用のワンピースを除けばおおむね水中で体を動かしやすい機能性も持っていますが、一方で体形がカバーしにくい、身に着ける人の年齢をやや選ぶといった意見もあります。

 若者向けのレディース水着として一般化する中で、布地のデザインなどに凝ったおしゃれやセクシーなものも増え、着用する女性はもちろん、周囲の男性にもおおむね好意的にみられる水着といって良いでしょう。 夏の海辺やプールにおける 定番 でもあり、イラスト などの創作物においても夏を テーマ とした 季節絵 で、しばしば 褐色肌日焼け なども意識されながら描かれる代表格のひとつでもあります。

ビキニ名称の語源はビキニ環礁における原爆実験から

 ビキニ水着の語源はよく知られているように、南太平洋にあるビキニ環礁での原爆実験で用いられた原爆のように、「小さいが破滅的」 との意味が込められたものです。 フランス人ファッションデザイナーのルイ・レアール (Louis Reard) が1946年7月5日にパリで露出度の高いインパクトのある女性用ツーピース水着を発表した際に 「ビキニ」 と命名し、それが由来となっています。

 この原爆実験 (クロスロード作戦) は 1946年7月にアメリカが同地で行ったもので、「エイブル」(Able) と 「ベーカー」(Baker) 2つの21キロトン級原子爆弾が実験で用いられました。 そのうち最初となる7月1日のエイブルが、結果的にビキニ水着の名付け親という状況になっています。

 日本が被爆国であることを差し引いても、現代の感覚では原爆由来の名称を商品名として好意的な意味で使うことには強い違和感があります。 しかし 「ダイナマイトボディ」 などというように迫力あるものを武器やそれに類するものに喩えるケースは昔からありますし、当時の原子力は未来の火、原爆も素朴に威力が史上最強の兵器だといった程度の意味で捉える人も少なくなく、また長かった第二次大戦が終わった後でもあり、平和が訪れたという楽観的なムードの元、この他にも様々なものに原爆由来の名称やその影響がみられる言葉が広まっていました。 なおこの実験では太平洋戦争で生き残った旧日本海軍をはじめ、アメリカやドイツなどの艦艇が標的艦・爆破処分の対象として集められ、実験によってそのまま同海域に沈んでいます。

 その後もビキニ環礁周辺では1958年までに計67回もの原爆・水爆実験が繰り返され、その間の1949年8月には一方のソ連も原爆の核爆発実験を成功させ (発表は9月)、米ソの核兵器開発競争によって冷戦も激化することとなりました。 ビキニ生みの親のルイ・レアールの祖国フランスも1960年2月13日に植民地であったフランス領アルジェリアのサハラ砂漠で初の核実験を実施。 アメリカ・ソ連・イギリスに続く核保有国となっています。

ビキニ水着の種類 (主にトップスの違いによる)

 ビキニは、主にトップスとなるブラ部分のデザインや構造によって大きく3種類に分類されます。

「ノーマルビキニ」
ビキニのトップスが三角形の形をして左右独立し、紐を首の後ろで結んだり留めたりするタイプのもの (ホルターネックビキニ) です。 一般のブラジャーやトップスなどは首に過度の負担がかからないよう肩の部分で保持するものが多いため、水着や胸ぐりの広いドレスなど肌の露出が大きい着衣に特有の構造だと云えます。 もっともポピュラーなトップスの形であり、ビキニと云えばこれだといったイメージがあります。 ただし初期の頃は、下着などと同様に肩紐で胸を支えるタイプのものもありました。 この形状で布の部分が極端に小さいものは マイクロビキニ、布部分が貝殻や貝殻状のデザインのものを貝殻ビキニなどと呼びます。

「タンキニ」
「タンクトップ・ビキニ」 の略語で、タンクトップ状のかなり大きめなトップスが特徴です。 胸周りの肌の露出は他のビキニと比べて非常に少なく、ある程度体形をカバーできるものとして認識されています。 色柄だけでなく形状にも工夫を凝らした様々なパターンがあり、子供っぽいものからセレブっぽい上品なものまでバリエーションが豊富です。

「バンドゥビキニ」
トップスが左右独立した三角形ではなく、横長で一体型の帯状になっているものです。 首や肩にかかる紐を持たないものもあり、その場合は体に巻き付けて締め付ける形で保持します。 フランス語の 「ヘアバンド」「細いリボン」 が名前の由来で、胸の両端部分が広がり中央部が絞られてリボン状になることからこう呼ばれます。 紐がない場合、とくに胸が平らな 貧乳 では引っ掛かりがなくて落ちやすい、脱げやすいような印象がありますが、一方でカップが左右でつながっているためヌーブラによって寄せて谷間を演出することができて 「盛れる」 とされ、バストサイズに自信がないならバンドゥだとする意見もあります。 日本でもっとも人気のあるビキニがこのタイプかも知れません。

 この他、これらのデザインの折衷的なデザインや変わり種などもありますが、おおむねこの3パターンを押さえると、ビキニ全体が見渡せるようになるかもしれません。

ハイレグブームとビキニパンツのTバック・Iバック、ふんどし化

 バリエーションが豊富なトップスに比べ下半身を隠すパンツ部分となるボトムスは、股上が浅い女性用下着のショーツと似たシルエットで、サイド部分が布地の一体型か紐か、あるいはお尻のバック部分がどれだけ細く絞られているかといった細かい違いが中心となっています。

 これらの変化は時代を下るにつれてより面積が小さく、かつ股部分のラインの切り込みが深い逆三角形の形へと至りますが、とりわけバック部分の布地面積を小さくしたTバックやIバックと呼ばれるものは、ほとんどお尻が丸見えみたいな刺激的なもので、1990年前後に一種のブームともなっています。 当時テレビ東京系列で放映されていたお色気バラエティ番組 「ギルガメッシュないと」(1991年10月) に途中から出演 (1992年2月) して人気を博し、「Tバックの女王」 と呼ばれて一世を風靡した有名人にかの飯島愛さんがいます。 またテレビ朝日系列で1982年から放映している怪番組 「タモリ倶楽部」 のオープニングのお尻ふりふり画面も、これらのブームを受ける中でバリエーションが変化しています。

 この頃、前後して下半身部分の切込みが女性水着全般、とくにワンピース型で非常に深くなった時期があり (1980年代あたりから1990年代頃までのハイレグブームで、腰骨の上にまで切れ込みが入っていた)、その際に同じような切れ込みスタイルへと追従したビキニのパンツはTバックブームもあってサイド部分が紐だけでデルタ部分もより小さくなり、ほとんどふんどしのような見た目になることもありました。 これらはそのままふんどしビキニ (ふんどし水着) などと呼ばれて一部で定着しています。 ちなみに1989年に歌手・アイドルの宮沢りえさんがカレンダーでふんどし姿を披露して大きな話題となっています。

 なおハイレグは上に切れ込むほど足が長くスラっと見えるようになりますが、ワンピースに比べビキニのパンツはおのずとその限界が低く、同じ体形ならばワンピハイレグより短足胴長に見えてしまいます。 構造上仕方がないとはいえ、ハイレグブームの頃のビキニはよほどスタイルが良くなければ、セクシー度ではぱっとしない印象もありました。 TバックやIバックも男性からは強い支持があったものの女性から選ばれることは少なく、一部のメディアが騒いでいただけというのが実態に近いでしょう。

 ただし水着ではなく下着の場合、Tバックはパンツの線がアウターに出にくいため、着用している人は多いでしょう。 縁にレースがついているいかにも女性っぽいインナーも、境界線がぼやけて目立たなくする効果を見込んで身に着ける人もいますし、このあたりはおしゃれ以前の身だしなみやエチケットみたいな感覚で選ばれる傾向が強いのでしょう。

 ちなみにビキニ本来の意味は上下が分かれた非ワンピース水着なのですが、その後競技用ボトムス (ブルマー) や男性用水着・競技用パンツも股上股下が深いトランクス型と対比する中で、下着の ブリーフ と同じような形のパンツ全般をビキニパンツなどと呼ぶようになっています。 とくに女性の陸上競技用のものは、水着のタンキニとほとんど同じシルエットになったものも多くなっています。

街中着としてのビキニとか、女性剣士のビキニアーマーとか

 ビキニは水着なので海やプールで着用するものですが、一部では日常使いするようなケースも見かけます。 温泉などで恥部の露出を防ぐために着用するといった使い方はかねてからありましたが、1990年代前後にギャル文化が広まると、よりかわいくよりセクシーで、かつトロピカルな街中スタイルの追及の中で、「見せる肌着」 としてビキニブラを身に着けている人は結構いました。

 代表的なのは、ビキニブラを身に着けた上に薄い 透け透け のシャツやブラウスを着る、ブラだけを身に着けて上半身を露出したまま、ゆったりめの胸当てつきジーンズ (オーバーオールデニム) を着るなどでしょうか。 当時都内の盛り場などにはその手の女性が結構いて、目のやり場に困ることもわりとありました。 ファッションとして雑誌などでも紹介・提案され、地域によってはある程度許容もされていましたが、同じような着こなしを男性がしたら通報されかねないものではあります。

 また創作物の世界では、女性剣士などが身に着ける、まるで水着のようなやたらと肌の露出が激しい防具を ビキニアーマー と呼ぶこともあります。 これは防具としての機能や合理性を欠くものとして揶揄するような ニュアンス があります。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2008年4月10日/ 項目を再構成しました)
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