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褐色肌

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健康的で明るいけれど複雑な過去を持ちがちな… 「褐色肌」

 「褐色肌」 とは、肌の色 が褐色 (茶や暗い茶色) の人物や キャラ のこと、およびそれに 萌え を感じること、萌え要素 を指す言葉です。 色の程度にもよりますが、褐色、色黒、浅黒、地黒、あるいは小麦色の肌とも呼びます。 性別は問いませんが、男性キャラには浅黒い肌を持つ野性的なキャラが珍しくないこともあり、男性が褐色の女性や ヒロイン を好む傾向を指すことが多いでしょう。 その場合、褐色少女とか褐色ヒロインと呼びます。 ファンタジー におけるダークエルフといった 人外亜人・異種族を含む場合もあります。

 褐色といっても標準的な黄色人種の肌色 (ベージュやペールオレンジ) に近い茶からほとんど黒人のような黒に近い肌まで グラデーション があります (とくに黒っぽい場合は黒肌と呼んで区別されます)。 また生まれながらの肌の もあれば、日焼け による一時的なものもあり、両者を同じように扱う人もいますが、厳密に分ける考え方の方が多いかもしれません。 中心となる色合いで云えば、やや強めの日焼けのように濃い肌色から茶色くらいまでが多いでしょうか。

 創作物の場合、表情がつけづらい、見にくくなってしまうなどの理由により、あまり濃い黒にし過ぎないことが多いでしょう。 モノクロマンガイラスト の場合、10%から30%程度くらいまでの スクリーントーン を貼り込んで表現する程度が多いかもしれません。 アフリカ系の黒人のように茶というより黒に近い肌色の場合は黒肌としてまた別の分類がされますが、肌色や身体的特徴を誇張するのは避けられるようになってきており、人種を明示したり髪型や服装などその他の要素を含めて表現する場合もあります。

 一般に おたく界隈 で褐色と呼ぶ場合、人種的には日本人が日焼けしたものから東南アジアや中東アジア、南国風の外国人、あるいはハーフなどまで様々ですが、日焼けであっても何らかの他の属性 (例えばスポーツ少女とか南国生まれ・育ちとか) が付加されて、それ込みで萌えの対象となる場合もあります。 1990年代からは、いわゆる ギャル といった要素も付加されることが多いでしょう。

日本における褐色肌の位置と 「アグネス・ラム旋風」

 褐色自体は自然に存在する肌の色であり、そもそもひと昔前の日本人も農業や水産業といった野外作業などを通じて褐色に日焼けした人が多く、むしろ現在では考えられないほど褐色が日常にあふれていたとも云えます。 肌の色はおおむね肌のメラニン色素の量によって変わりますが、アジア系は少ない人と多い人との差がかなりあるのですね。 従って褐色タレントやキャラも当然ながら古くから存在します。

 それが現在のような漠然とした南国、あるいはエキゾチックなイメージを同時に持つようになったのは、日清戦争による台湾の割譲、第一次世界大戦によるドイツ領マーシャル、マリアナ、パラオ、カロリンといった北太平洋諸島の委任統治領化などによるところが大きいでしょう。 人々の交流もあり、新聞や雑誌、映画といったメディアを通じた友好ムードの演出も手伝い親しみと同時に異国への憧れを感じる対象にもなりました。

 日本は第二次大戦後にこれら南国のイメージがある島々を失い (国内で南国ムードにあふれた存在だった沖縄も、1972年に本土復帰するまで実質的に本土とは切り離された)、また工業化による労働環境の変化などにより、都市部の人口の多い地域で徐々に褐色肌が日常から非日常の存在へと変化します。 とくに会社勤めの人たちにとっては、褐色や日焼けした肌は遠い南国への憧憬や夏のレジャーと結びつくような対象になっていきます。 また男性はともかく女性の肌は白い方が好まれがちなため、立ち位置もやや微妙な部分がありました。

 そんな中、日本を褐色が席捲する大ブームが起こります。 ハワイ出身でグラドル (グラビアアイドル) の先駆者とされるアグネス・ラムさんの来日 (1975年) です。 テレビCMや雑誌で活躍した彼女は、とりわけエメロン・ミンキー・トリートメントの CM で大ブレイクし、その後の日本の美女文化を作り上げるクラリオンガールの初代にも選出。 アジア系の血が入った日本人好みの可愛らしい ルックス と、それに不釣り合いなほどの グラマー な身体でアグネスラムブームを巻き起こし、褐色の肌が持つ健康美が大きく訴求されることとなりました。 現在にも続く、グラドルの 「水着 を着た褐色 (あるいは健康的なエロティシズムを持つ) グラマラスな美女」 という様式を作り上げた人物だといってよいでしょう。

褐色肌と云えば、炎ジュン・ララァ・ナディア・ネイ・マーニャ…

 一方で現在の おたく的な萌え対象としての褐色肌の初期を代表するキャラと云えば、1974年9月〜翌1975年9月まで放映された アニメ 「グレートマジンガー」 のヒロイン、炎ジュンの存在は忘れられないものでしょう。 巨大ロボ ビューナスAに搭乗する巨乳でグラマーな美女で、性格的には強気な お姉さん といった感じですが、時系列的にアグネス・ラムブームの影響はなかったものの、ほぼ時期を同じくしていたこともあって、ファン の間で褐色肌に対するイメージを醸成する一つのきっかけにはなったでしょう。 日本人とアメリカ人のハーフで自身の出自や肌の色に悩むなど繊細さや複雑さを持つキャラで、インパクトもありました (というか 筆者 は大好きなキャラでした…)。

 もう一人の代表的なキャラと云えば、何といっても 「機動戦士ガンダム」(1979年4月〜) にジオン側として登場したララァ・スンでしょう。 主人公 アムロ・レイのライバルであるシャア・アズナブルとの関係や、重要な作中 設定概念 でもあるニュータイプとの関わりなど、初代ガンダムの重要キャラの一人であるだけでなく、薄幸不憫 で悲劇的、一途で健気、ミステリアスなインド系の可愛らしい造形から大人気に。 炎ジュンやアグネス・ラムさんらの 定番的 な 「健康的でグラマーな美女」 に対する 「神秘的で薄幸の美少女」 という、褐色系の一方を確立したとても大きな存在だと云えるでしょう。 こちらは主に、当時流行していたニューエイジや神秘主義の文脈をまとい、ヨガやインドなどがブームになっていたことの影響があります。

 褐色キャラ自体は1作品にいても1人か2人といった感じで、そう多くはありません。 それだけにそれぞれの作品中で重要な役割、核心部分を担う存在として扱われることも少なくなく、重要な萌え要素としてその後も多くの人気キャラを生み出すこととなります。 系統的には炎ジュン・アグネス・ラムさんの健康的かつグラマー路線と、ララァの薄幸・ミステリアスな少女路線の2つがありますが、日本人女性が日焼けした姿と、エキゾチックな南国の外国人やそのハーフという2系統もあり、この2×2で、おおむね全体を整理できるような感じもします。

 キャラ自体は数え上げればきりがありませんが、その後の特筆すべき存在として忘れてはならないのは、アニメ 「ふしぎの海のナディア」(1990年) の 主人公 ナディアでしょう。 ある意味現在の 「褐色萌え」 を決定的にした存在といってよく、南国風の健康的な可愛らしさと神秘的な魅力、複雑さや憂いも併せ持つ存在で、褐色肌の魅力の集大成の感があります。

 作品やキャラ自体が優れていただけでなく、褐色キャラが主人公かつ タイトルロール というインパクトも大きく、もとより作品自体の面白さもあり、ナディアはおたくに大人気に。 以降は褐色と云えばナディアという代名詞的存在、褐色の美少女の お約束 のいくつかを確立した存在として扱われるようになったと云っても良いでしょう (それ以前は、わりと小麦色肌みたいな呼び方もありましたが、ナディアは小麦色と呼ぶにはやや肌の色が暗くて褐色と呼ぶにふさわしい色で、この頃からおおむね言葉も褐色に統一された感があります)。 また同じころに 「BASTARD!!-暗黒の破壊神-」(1988年) のアーシェス・ネイ、ゲーム 「ドラゴンクエストW 導かれし者たち」(1990年) のマーニャも人気となっています。

 ちなみに個人的に絶対外せないのは、「キューティーハニー」(1973年) で主人公 如月ハニーのハニー七変化のうちのひとつ、ロック歌手のミスティーハニーですかね。 OP では如月ハニーの次、キューティーハニーより先に登場する変化で、前述した炎ジュンと合わせ、結構大きな影響を受けた存在でした。 ていうか、あたしが人生で初めて購入したレコードがキューティーハニーだったくらい好きだったので、子供のころは 二次創作 とかよく描いていました。 あと褐色とまでは云えませんが、「ダーティーペア」(1985年) のケイは大好きでしたね。 相棒のユリが美白キャラだったので、その対比で小麦色っぽいイメージが強いキャラです。

褐色肌と金髪碧眼・銀髪碧眼

 前後していかにも創作キャラといった独特な褐色美少女の様式が登場します。 褐色の肌に 金髪 と碧眼 (青い目) を持つアジア的な顔立ちの少女です。 金髪・碧眼と云えば白人の一部に特徴的なものですし、褐色肌は有色人種に特徴的なものです。 現在は染髪やメイクなどでも実現可能な容姿ですが、生まれながらにこれらの特徴を持つ人はほとんど存在せず (親の人種やその組み合わせ、アルビノといった症状によってなくはないのでしょうが)、ある意味創作物の中でのみ会える極度に理想化された造形や キャラデザ と云えるかもしれません。 一方、銀髪・碧眼の場合、理知的で神秘的なキャラの傾向が強いかもしれません。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2005年2月21日/ 項目を分離しました)
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