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行事絵

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お正月、バレンタイン、クリスマス… 「行事絵」

 「行事絵」 とは、お正月とかバレンタイン、節分、ひな祭りやお花見、七夕、お月見、ハロウィン、クリスマスなどなど、日々の年中行事、歳時記的な イベント に合わせた イラスト のことです。 これらはそれぞれ 「正月絵」 や 「バレンタイン絵」 と呼ぶこともあります。 年中行事には含まれないものの、受験や入学式、文化祭、体育祭、卒業式といった学校行事に関するものや、海開き、夏祭り、花火大会など地域の行事を含める場合もあります (広く 季節絵 と呼ぶことも)。

 何かの行事に合わせて絵を描く、公開するというのは、絵を描く人、絵師 などにとっては 「絵を描くきっかけ、モチベーション」 が自然に高まるものの一つですし、絵描き の友人や ファン にとってもリクエストによる 新規 絵作成 (リク絵) の依頼がしやすくなる効果があるでしょう。 事前に テーマ があることで描くときの お題 に悩むこともなくなりますから、とっつきやすいというのも大きなポイントです。

 またアニメ誌やコミック誌、美少女コミック誌ロリコン誌、さらには お菓子系誌 といった雑誌には 読者 によるイラストの投稿欄がつきものですが、季節感のある行事絵はそうでないイラストに比べて採用される可能性が高いケースがあり (正月絵とかクリスマス絵を集めた特集が組まれることもある)、掲載を狙う ハガキ職人 にとっては掲載予定号を先読みして 投稿 するのは掲載率アップノウハウの一つでもあります。

同じテーマで描かれたイラストがたくさん集まる

 こうした理由で描かれるイラストは、大勢の絵描きが同じお題やテーマで絵を描くことから、「お題絵・テーマ絵」 とも呼ばれます。 ただ漠然と絵を描こうとするより、何らかのお題やテーマがあった方がとっかかりやすいので、絵描きが集まる場では ネット がない昔からよく行われています。 その原点は年賀状やクリスマスカードにあるのでしょうが、その時期になると 肉筆回覧誌 といった サークル や仲間内で回している会報などに、その手のイラストが盛んに描かれていたものです (そもそも行事がない時でもなんらかのお題やテーマが設けられることも多かったです)。

 一方、パソ通 から インターネット の時代となり、ネットで不特定多数の絵描きなどが集まるようになると、そうした場でお題やテーマとして掲げられたり、「みんな描いているから私も」 といった場の空気も生じるようになっています。 ツイッター といった SNS では、ハッシュタグ によってそれらが 共有 される場合もあります。

 他のお題絵・テーマ絵もそうですが、同じテーマによる大勢の絵師の競作のような形になることもあり、注目度も高まりやすく、日ごろはあまり絵を見てもらえないような絵描きでも、その輪に参加することで大勢から見てもらいやすくなる傾向があります (とくに行事絵が出始める初めの方は注目度が高いでしょう)。 どうせ描くなら、いつもより見てもらえそうな行事合わせの絵を中心に描いている 絵描きさん も多いものです。 まあ行事絵で反応がなかったりするとかなり辛いものがありますが。

 一方で、忙しいとかスランプとかで毎年描いていた行事絵が描けなかった (落とす) と、結構ショックだったりもします。 とくにクリスマスからお正月にかけては行事が目白押しで、おまけに年末には冬の コミケ も間にあるので、このあたりで絵を描けないと色々と辛い部分はあるかもしれません。

同じ行事テーマで、どこをどうアレンジするかが面白さのポイント

 行事それぞれに、ある種の お約束 的な描き方がなんとなく決まっていたりもするものです。 例えばお正月 (年賀絵) なら、その年の干支にちなんだり、お正月につきものの初詣や着物、お年玉、お餅、初夢、書初めといった風習と絡めるなどです。

 このあたりをどう絵の中に落とし込んで面白く魅力的に描くかが、絵の技術以上に重要視されるセンスの部分かも知れません。 場合によっては走り書き程度の簡単に描いたものでも、ネタ としての鮮度だけで大きな注目を集めることもあります。 一方で、多くの人がタグの検索などで同じ行事絵を見て回ったり共有することが前提なので、グロや 虐待要素、極端なアダルト要素 (成人向け)、ヘイト要素 があるものは、 のないオープンな場では何となく避けた方がいいよね、みたいな空気はあります。

 また行事の多くが宗教や文化にルーツを持つものなので、とりわけ外国の宗教・文化に根差した行事のお題絵の場合、その行事を不謹慎な形で揶揄・愚弄したり、ふざけ過ぎるのはやめた方がいいかもしれません。 これは国や民族を象徴するようなもの (国旗や紋章、民族衣装など) も同様です。

 とくにネットの時代となり、いったんどこかに アップ すると世界中どこからでも見られる可能性があるので、場合によっては侮辱や差別表現だと誤解されて批判されたり 叩かれ たり、あるいは 炎上 してしまうようなケースもあります。 例えばサンタさん衣装で エロ などは、日本だけでなく世界中でも何となく許されてるような部分がありますが、あまりにやり過ぎない・極端な悪意が感じられないようにするなどは、配慮しても良いでしょう。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2010年2月5日)
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