この1枚さえあれば、何度でもイケる… 「抜き絵」
「抜き絵」 とは、主に男性が オナニー をする際に おかず (ズリネタ) として用いる 絵 や イラスト のこと、あるいはオナニーの絶頂 (イクこと、射精・抜く こと) のタイミングで使われる 「ここぞという場面を描いたもの」 のことです。 実写を含めて 「抜き画」 と呼ぶこともあります。 マンガ の場合、そうした役割を担うコマは、とくに 「抜きコマ」 と呼びます。 ほとんど同じ意味の言葉に 「シコ絵」 などもあります。
18禁 の 成人向け かつ男性向けの エロい 作品の場合、おおむね女性の キャラ のあられもない姿、あるいは性行為を行っているようなシーンを描いたものが多いでしょう。 とくに読者がイラストやマンガのキャラなりに 感情移入 する場合、そのキャラが絶頂を迎えたシーンが選ばれることが多く (一緒に絶頂する)、マンガにおいてはそうしたコマは大きく、かつキャラの表情や裸体などが 映える ような構図と力の入った作画で描かれることが多いでしょう。
ゲーム の場合、物語を読み進めるストーリーモードの他、オナニーするためにエッチなシーンのイラストだけを表示するモード (アルバムモードとか画像一覧モード) が別途用意されることもあります。 ゲームのクリア状況によって新しいイラストが追加で解放されるタイプの作品では、ゲームを進めることを 「抜き絵回収」 と呼ぶこともあります。
AV でありがちな 「男の顔でイキたくない」 問題
AV (アダルトビデオ) の場合、動画再生のタイミングによっては、イク瞬間に女優と絡んでいる男性の顔などで絶頂してしまうことがあります。 これはかなり残念な気持ちになってしまうので、イラストやマンガのコマ、さらには 同人誌 といった書籍体裁の作品の場合の 「見開き」 部分に、必要以上に男性の姿 (とくに顔) を入れないよう工夫している作品は結構あります。
一枚物のイラストはもちろん、マンガでも、読者は AV と違って自分でそのシーンにフォーカスすることが容易ですが、オナニー中の読者の視線の動きや感情の機微に無頓着な 作者 としっかり考えている作者とでは、おのずと出来上がる作品にも違いが生じるものでしょう。
とはいえ、集団でエッチするような 輪姦・乱交ものや、凌辱・レイプもの の場合、取り囲む男性の下卑た表情や女性に対する乱暴なふるまいなどを含めた被虐的な部分に興奮する人も少なくないので、このあたりは十人十色、「これが正解」 というセオリーはないものなのでしょう。 逆に云えばこのあたりががっちりと噛みあう作者の作品は、読者にとってはある意味至宝でもあります。 もちろんキャラや シチュエーション が十分に魅力的であることが大前提ではありますが。
手練作家の華麗な技に、弄ばれるオナニヤン
なお手練作家のマンガなどによっては、キャラの魅力的な大ゴマで絶頂を描きつつも、最後の余韻を与えるような状況説明的なコマで興奮の最大出力が発揮されるような絶妙な匙加減を加えてくる場合もあります。 例えば女性キャラが大切にしている物品や、学園ものなら脱ぎ捨てられた 制服 や靴、通学用の持ち物などが 精液 でどろどろになっているような フェティッシュ な ニュアンス もあるコマなどです。
あるいは抜きコマとして最適なコマが複数ページにある場合、ページを交互にめくってボルテージを高める効果を意識したような作品もあります。 鋭い感性があって的確に読者の心を揺さぶるポイントを見抜く作家が 自ジャンル にいる場合は、プロの オナニヤン としてもこれほど幸福なことはないでしょう。
一方で、自分の好きな構図やシーンが微妙にズレている場合は、ちょっと複雑です。 完全にズレている場合は、そもそもそうした構図やシーンが存在せず、それはそれで諦めもつくのですが、望む構図やシーンがありながらも決めゴマ扱いされず、途中経過の小さなコマで描かれる場合は、「どうしてここをもっと大きく描いてくれないのだ…」 などと忸怩たる思いを募らせながら 画像 を拡大したり視線を集中して小さなコマに注ぐこととなります。
ちなみにゲームや電子書籍の場合、メディアとしての特性を生かして、様々なモード (フキダシ や文字の有無、絡み役の男性の姿の有無、透視 や 断面 といった描写の有無など) を別途 差分 として用意している場合もあります。 同じ絵を使いまわすので作業自体はそれほどでもありませんが、フキダシや書き文字や 竿役 の男性の姿があってもなくてもそれなりにバランスよく見栄える構図の絵を描くのは結構大変です。 まさに至れり尽くせりです。