そのジャンルのお絵描き界隈がもっとも盛り上がる… 「記念絵」
「記念絵」 とは、キャラクター の誕生日 (生誕祭) に合わせて描かれる誕生日絵や、アニメ なら続編や映画化が決定した、ゲーム ならユーザー数〇〇万人突破とか〇〇周年を迎えたといった時に、ファン らがそれを祝って記念として描く 絵 や イラスト のことです。 「おめでとう絵」 とも呼びます。
コミケ100回記念で描かれた 「記念絵」(2022年8月) |
基本的にはファンが自主的に描いて公開し、ファン同士で楽しむためのものですが (いくら記念だからと云って、公式 に直接送り付けるなどは避けるのが一般的です)、公式側が 二次創作 を明示的に認めていたりガイドラインを発表している場合は、公式な 催し・イベント として記念絵の募集や応募作の公開が実施される場合もあります。
一方、こうした 商業 の コンテンツ に由来する記念日だけでなく、そのジャンルで活動する サークル や ホームページ の記念日に合わせた創作などもあります。 例えばサークルやサイトの一周年記念とか、アクセスカウンター が キリ番 になった、ツイッター といった SNS の フォロワー が〇〇人になったなどです。 この場合、サークルやサイトのファンが描いたり、サークルやサイトの 中の人 が自分で描いたり、リクエスト をもらって描く場合もあります。
SNS などでタグで共有されて大きな話題となることも
「記念絵」 は、お正月やクリスマスと云った年中行事の際に描かれる 「行事絵」 などと並び、あらかじめ描く絵の主題や内容がおおまかに決まっている 「お題絵・テーマ絵」 です。 祝い事でもあり、その ジャンル で活躍している 同人作家 やサークル、絵師 がこぞって描くことから、その 界隈 のちょっとしたお祭りのような活況を見せることもあります。
絵を描く人も描かない人も、そのジャンルの人間であれば記念日を盛り上げたい (場合によってはツイッターのトレンドに上げたい) と思うものですし、「お題絵・テーマ絵」 同様に注目度も高まりやすく、日ごろあまり注目されていない 絵描きさん が大勢に絵を見てもらえるかもしれない貴重なチャンスと云って良いでしょう。 SNS では アップ された記念絵が ハッシュタグ によって 共有 され、大盛り上がりとなることもあります。
一方で、自他ともに認める 推し や 嫁 の誕生日絵などを 落とす と、周囲のがっかり感もさることながら、絵描き 本人の自己嫌悪も大きなものとなります。
別に描くのが義務ではないとはいえ、「推しの絵を記念日に描かずに何のために絵を描いているのか」 といった気分もあって、受験の時期や年度末など、忙しい時期に 締め切り に当たる記念日のタイミングが合ってしまうと辛いものもあるかもしれません。 何でもギリギリまで先送りにするのが デフォ の人は、なるべく早め早めに準備するようにしましょう…。
記念本などが創られることも
ネット の時代となり、記念絵というとネットでの発表や配布が多くなっていますが、それ以前にも オフライン の 同人 の世界でよく描かれていました。 コミケ などの 同人イベント の開催のタイミングによっては、それぞれは別に活動しているサークルや絵描きが原稿を持ち寄り、合同誌 といったスタイルの 同人誌 (記念本) が創られるケースも良くあります。
有志が集う同人誌に参加の場合、ネットのそれと違って同人誌を取りまとめる有力なサークルから依頼を受ける必要がありますが、事前に広く募集される場合もあります。 好きなサークルや作家と同じ本で共演するチャンスでもありますから、意欲があれば頑張って描いてぜひ参加したいものです。