あーこのネタみたわー過去に何回も見たわー 「定期」
「定期ネタ」 あるいは単に 「定期」 とは、ネット で定期的に話題になったり同じ状況が訪れるような ネタ のことです。 「既出ネタ (がいしゅつ)」 とも云います。 一定間隔で何度も何度も繰り返し バズ る お約束・定番・鉄板 のような古い話題、とっくに結論や対処法が出ていてそれが知られてもいる トラブル や疑問に対して、「またその話か…何度目だよ」「定期ネタだろそれ」 との ニュアンス で使うことが多い言葉です。
「流行は繰り返す」 のようなリバイバルブームを指すこともありますが、多くの場合は過去に話題になった時に気が付かなかった人が、その後何度目かの流行の時に初めて知って得意げに 拡散 するような状況を 「遅い」 とやや冷ややかに指摘するような使い方をします。
使い方としては単に 「定期」 とだけ 書き込む こともあれば、その話に対して テンプレ 的な返答をしてその文章の末尾に 「○○定期」 といった形でつけ足すこともあります。 例えば 掲示板 に迷惑な 荒らし が来た時には スルー すべきですが、それを指摘する際に 「荒らしはスルー定期」 みたいに レス します。
また時期や季節によって同じことが繰り返される状態、例えば春夏冬といった長期休暇の時期に ネトゲ やらに現れて貼りつきがちなネット初心者や キッズ を揶揄し、「もうそんな時期か」 といった意味で 「定期」 を使うこともあります。 こうした人たちは 「夏厨」(夏休みに沸いてくる 厨房 (中学生の坊主の 誤変換) や 「冬厨」 などと呼びますが、これを指摘する場合には 「夏厨定期」 みたいな書き方もします。
古参アピールだったり、「驚き屋」 のあれこれが不快だったり
ことさらにこうした云い方をするのは 古参 のアピールにも感じられて嫌う人もいます。 単なる 老害 だとされることもあります。 とはいえ掲示板における既出ネタは 「過去ログ読め」「半年 ROM れ」 みたいな意識を持つ人もいますし、実際定期ネタは本当に何度も何度も繰り返されるので、うんざりする部分はあるでしょう。 そもそも定期ネタになるくらいなので初見の者にとってはかなりインパクトや面白さが感じられるネタや状況が多く、やたらと興奮した口調、大げさな表現で大騒ぎしたりもするので目障りに感じられるものですし。
とりわけ若い人が、ある年代以上なら誰でも知っているような話、繰り返しバズってるネタを自分が発見したつもりになって興奮して話し、それを同年代の人が 「すげえ」「初めて知りました」 などと絶賛している状態は、それがいつの時代にもあることで自分自身も若い頃に通った道だとはいえ、「はぁ? そんなの誰でも知ってるんだが?」「その車輪の発明何度目だよ」 と茶化したくなるものなのでしょう。
ちなみにネットで誰でも知っているような小ネタ、あるいは真偽不明なあれこれをことさらに大げさに驚いて見せて注目を集めようとする人を、揶揄する意味で 「驚き屋」 と呼びます。 こうした人は、過去にバズったネタや話題をしばらく時間を経た後に改めて自分が発見したかのように装って騒ぐので、ある種のパクリだとされるケースもあります。 またこうした人はそれで過去に注目を集めた自分のネタや話題を一定の間ごとに何度も繰り返すケースもあります。 バズりネタの再利用というわけです。 そこまでして目立ちたいのか、承認欲求 を満たしたいのかと、ドン引きする部分はあります。
「定期」 と 「安定」
前後の文脈によっては似たような使い方をする言葉に 「安定」 もあります。 過去に似たようなケースが無数にあって結果が安定する最適な対処法が既知である、取るべき正しい対応がとっくに確立しているといったニュアンスで、前述した荒らしや夏厨で例えると 「荒らしスルー安定」「夏厨は放置安定」 みたいな言い方になります。
意味するところはほとんど同じですが、「定期」 はその話題をした相手への 「またその話か」「その状況か」 との直接的な揶揄であるのに対し、「安定」 は 「もう議論の余地なく結論はでてるんだよ」「だから他のやつらももう反応するなよ」 との周囲の人間全体への牽制や、それでも反応する人を揶揄するようなニュアンスになるものでしょう。
こちらも 「定期」 同様に訳知り顔の古参アピールだとして嫌う人もいます。