都合が悪くなると高速で手のひら返し… 「手の平ドリル」
「手の平ドリル」(手のひらドリル) とは、手の平がぐるんぐるん回ること、すなわち一般の言葉でいう 「手のひら返し」(状況によって自分の意見をコロコロと変えること、態度を一変させること) です。 「手の平大回転」 と呼ぶこともあります。 もっぱら他人のそうした言動を差して揶揄する意味の言葉となります。
単に手のひら返しの過剰表現だという意味もありますが、しばしば一度ならず2度3度と何度も何度も状況の変化によってくるんくるんと評価や態度が際限なく変わることもあるため、そうした節操のなさ、脊髄反射 のような軽率な言動を罵倒するような ニュアンス もあります。
使われる場はもっぱら 2ちゃんねる といった ネット の 掲示板 で、2ちゃんねる用語 や ネットスラング とも認識されます。 こうした場に多いのは、匿名のために手の平返しや前言撤回が簡単かつ遠慮なく行える環境だということもあるのでしょう。 実際、一人一人がどこの誰かは分からないものの、現在進行形で状況が変化する話題では、スレッド 全体の論調が大きく変化するので、それぞれが手のひらを返してはいるのでしょう。
とくに目まぐるしく攻守が入れ替わるようなスポーツの話題やその 実況、自分とは直接の利害関係など一切ない、単なる野次馬としての 炎上 とか 祭り への参加の場合、ドリルの回転数の上昇もかなりのものです。 流れに乗って 煽り 煽られつつ リアルタイム で楽しく騒ぎたいといった意識がありますから、一方を 叩く 側に立つにせよ擁護するにせよ、最終的に勝ち馬に乗りたい、多数派の側にあって 勝利 したりその 宣言 をして気分よく過ごしたいと思うものなのでしょう。
華麗な手のひら返しの姿は 「ゲッター2号」 のよう
ちなみに永井豪さんの人気 マンガ 「ゲッターロボ」 では、主人公 を含む3人のゲッターチームが操縦する3機の戦闘機 (ゲットマシン) が様々な形で合体して、1号から3号の3つの形態でロボ化します。 このうち神隼人が操縦する2号となる形態は右手にハサミ状のアーム、左手に巨大なドリルを装備しており、さらに3形態のうちでも瞬発力に特徴がある形態となっています。 まさに ネットスラング の手の平ドリルを具現化したかのような姿?です。
ゲッターロボは初代となる 無印 から 「G」「號」 とシリーズが続いて 「真ゲッターロボ」 へとつながりますが (後の 「ゲッターロボ アーク」 も合わせて全5作品)、この真ゲッターロボ (真ゲ) の際の隼人のセリフ 「ゲッター2のスピードに賭けるっ!」 は名セリフとして ファン の間で親しまれています。 ドリルとアームが左右で反転していて、素早い手のひら返しそのもののようなかっこよさです。
なおどうでもいい話ですが、掲示板での 書き込み 程度ならさほどの問題もないのでしょうが (一方に肩入れしすぎて誹謗中傷まですると問題ですが)、日常生活で友人知人らに手のひら返しをすると、裏切りだとして非常に嫌われたり憎まれたりします。 信頼を失うことにもなりますので、安易な手のひら返しは避けるようにしましょう。