一枚岩ではないからな

ブボボ（｀；ω；´）ﾓﾜｯ 証拠隠滅は許さない 「一枚岩ではないからな」

　「一枚岩ではないからな」 とは、裏事情に通じた人物を装い、したり顔・どや顔 で相手陣営の内情を分析してみせるフリをしながら、茶々を入れたり笑いを誘う独特な言い回しです。　多くの場合、「○○一派も一枚岩ではないからな」「○○も一枚岩じゃないからな」 などと相手陣営を名指しし、その陣営が混乱しているさまを冷静に見ているような 「フリ」 をします。

　使いどころとしては ネット の お祭り の最中に、その話題を扱っている 掲示板 などで、訳知り顔でポツリと呟くように レス として 書き込み ますが、元ネタ となったとある祭り関係の スレッド では、レスの一連の流れが テンプレート 化して （後述します）、ある種の様式美を楽しむような扱いにもなっています。

　なお対義語は 「完全に一枚岩じゃねーか」 です。

タレントの放送中の放屁騒ぎで祭り勃発、ネットスラング化

　元ネタですが、2006年９月11日にフジテレビ系列で放映された 「NG名珍場面5000番組10万人総出演!! がんばった大賞７」 の生放送に出演していた女性タレント、米倉涼子さんの雑音 ネタ （オナラではないかと騒がれた） の祭りで、この話題をしつこく追求していた ２ちゃんねる のニュース速報板 （ν速板） でのレスに由来します。

　この祭り （9.11放屁テロ祭り/ ブボボ（｀；ω；´）ﾓﾜｯ） では、この事実を少しでも多くの ネット住民 に広げ世論を喚起しようと、当該スレッドへ執拗に関連する情報や意見の書き込みを続ける一方、「米倉 放屁」 とか、「米倉 オナラ」 などのキーワードで Google や Yahoo! の検索を頻繁に行い、「検索数急上昇キーワード」 にこれらの言葉をランクインさせたり、「米倉涼子」 で検索すると、「関連する検索キーワード」（サジェスト） に 「放屁」 や 「オナラ」 が出てくるよう運動していました （サジェスト汚染）。

　苦労のかいあり？、その後 急上昇キーワードにこれらの言葉が入ったり、米倉さんの名前と 「関連する検索キーワード」 に 「放屁」 や 「オナラ」 が出てくるようになりました。　この状況はそれから２年弱ほど続いていたのですが、2008年３月４日頃、Google の関連ワードから、「放屁」 や 「オナラ」 などの関連用語が突然消滅。　「これはきっと、米倉サイドが Google に圧力をかけて消させたのだ」「隠蔽工作許すまじ」 との批判が集中し、祭りが再度盛り上がることになりました （もちろん全て、ネタとしてですが）。

　しかしその直後、なぜか関連するキーワードに放屁やオナラが復活。　その後は現れたり消えたりを繰り返すこととなりました。　これは恐らく、Google の検索システムによるもの （複数のデータサーバが同時稼動して、不規則な特定のタイミングで内容の同期を図るため ラグ が生じ、検索結果が最新になったり少し前の状態に戻ったりを繰り返す現象、いわゆる 「Google ダンス」） だったのでしょう。

　しかしこれが、あたかも 「米倉陣営で情報統制派と情報開示派とで内部分裂が起こって争っている」 ように見えて、「米倉一派も一枚岩じゃないからな」 との言い回しが登場。　どう考えてもそんな状況はないにもかかわらず、したり顔で分析するさまがネタとして面白く感じられたのでしょうか、米倉さんスレッドに頻出する慣用句として使われるようになりました。

　ただしそれ以前にも 「米倉一派も一枚岩じゃないからな」 との記述がでていたとの話もあり、これが本当の初出なのかは議論の余地があります。　しかし多くのスレッド参加者がこの言い回しを強く認識し、その後の 拡散 につながった発端は、やはりこの事件だったのではと思います。

テンプレ化して大流行した 「一枚岩」

　さらに程なくして、「ブーミン！　出ていらっしゃい！」 → 「アイツはもう消した！」 → 「だからおまえは誰なんだよ」 という、それぞれはバラバラに登場した定型句や ＡＡ を、複数の参加者で順番通りに貼ってゆく様式美をもったテンプレートが確立。

　その中に 「米倉一派も一枚岩ではないからな」 が流れの１レスとして採用 （左図） されることに （貼られるＡＡによっては、前後に 「IKKOさんは関係ないだろ」（改変されたＡＡがそれっぽく見えたため） も入ります）。

　この頃から 「一枚岩ではないからな」 がこの話題やスレッドを離れ、それ以外の無関係な話題のスレや板でも頻繁に使われるようになり、さらには２ちゃんねるの外や動画サイトなど掲示板以外の場でも徐々に見られるようになってきました。

　「絶対に許さない！ 絶対にだ」（絶許） や、その対義語 「許してやれよ」「もう許した」（も許） などの ネットスラング を生み出した米倉さんスレッドですが、この 「一枚岩」 も、それらにやや遅れて流行語として 認知 されるようになったのでした。

　なお一連の テンプレ はその後に 「完全に一枚岩じゃねーか」 → 「ここまでコピペ」 も続くようになり （場合によってはさらに 「ここまでが本当のコピペ」）、ある種の様式美として、テンプレートが完成し、外部では、ＴＶ放映から３年以上経過して、むしろ大流行することになりました。

　もっとも 「一枚岩」 も 「一枚岩じゃないからな」 もごく 普通 の日本語ですし、米倉さん関連の話題に使われる前の、いわば元ネタの元ネタが アニメ や マンガ、ゲーム などのセリフにあるのかも知れません。　また上記の解説も 筆者 の記憶を元に、だいぶかいつまんで説明しているので、ちょっと ニュアンス が伝わらないかも知れません。

　この種の言葉はあまり細かく説明しすぎるのもアレなので、実際の使われ方や全体の流れなどは実際のスレで確かめるのが良いのではないかと思いますが、面白みがわからない人には全くわからないネタなので、あまりおすすめはしません。

　ちなみにここでクドクドしく説明はしませんが、「ブーミン」 にも 「だからおまえは誰なんだよ」 にも 「完全に一枚岩じゃねーか」 にも、それぞれ登場した経緯がありますし、それらが一連の流れになったのにも、それなりに奥行きのある筋道の通った成り行きがあります （「ここまでコピペ」 については、米倉スレッドよりずっと前から使われています）。　「チンシュ（珍種）」 や 「tanasinn」「ノブ子」 などもそうですが、これらが面白いと感じられると ネト充 もいよいよ末期です…。

関連する同人用語・オタ用語・ネット用語をチェック

絶対に許さない！絶対にだ　許してやれよ/ もう許した
２ちゃんねる　（キリッ　どや顔
全力でいくか？　すごい一体感を感じる　絶対に流されるなよ
　

（同人用語の基礎知識/ うっ！/ 2008年11月20日）