「リア充」 の対概念として生まれた 「ネト充」
「ネト充」 とは 「ネット充実」、すなわち ネット の中の生活や活動が充実していること、ネットの世界を存分に楽しんでいるという意味の ネットスラング です。 ただしあまり ポジティブ に使う言葉ではなく、「リアルな日常生活が充実している」 との意味の リア充 とは反対の生活をしているとの 自虐的 な言葉、「リア充」 の対義語となっています。
ネト充の利用する 代表的ネットサービス |
掲示板(関連するまとめサイト含む) |
ネトゲ (ネットワークゲーム) |
ピアキャス ネトラジ(ネットラジオ) |
動画共有サイト |
「リア充」 は ネットの 掲示板 である 2ちゃんねる の中でも若者が多い板である 「大学生活板」 あたりで生まれ、2007年頃に広まった言葉です。
この概念や言葉が話題となる中で、「じゃあ俺たちは何なんだ」「リア充じゃない人間はどう呼ぶべきなんだ」 との問題提起がされ、かなり ネタ 的要素が強いながらも様々な言葉が提唱されました。 この 「ネト充」 はそのひとつとなります。
なお同じような経緯で前後して生まれた言葉には、対義語としての 非リア充(非リア) や直接的に 「リアルが終わってる」 との意味となる リア終、オタク な生活が充実している」 との意味の オタ充 (あわせて エア充 とも) などがあります。 また似たような使われ方をする言葉に、主に社会生活が破綻しているとの意味の 自宅警備員 や ヒッキー (引きこもり)、ニート や、主に友人・恋人など人間関係が破綻しているとの意味で使われる ぼっち、非モテ、それらを兼ね備えた 無触童帝 などがあります。
リアルが終わってる訳じゃない、ネットが充実しているのだ
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ところで 「リア充」 グループの最下層にいるような人は、侮蔑的に 似非リア充、必死にしがみついている人は、キョロ充 (さらには キョロぼっち) などと呼ばれます。
「ネト充」 は、この 「似非リア充」「キョロ充」 などに比べたら、充実している ジャンル や世界は違うもののネットやオタクの世界が充実し、幸せであるだけ俺たちの方がマシじゃないか、上じゃないか的な考えも多く (「似非リア充」 の生活が嫌になって 「ネト充」 や 「オタ充」 を自称する生活に自ら入った人も多い)、いずれも自嘲自虐な言葉ではあるものの、本格的に救いのない 「リア終」 に比べると、それでもまだしも前向きな考え方、言葉なのかも知れません。
もっとも発端となった 「リア充」 という言葉自体もネタ用語のようなものなので、こうした言葉にいちいち大きな意味があると考えるのもアレなんですが、言葉として広まり、色々な使われ方をする中で、自らをその範疇でカテゴライズして、同じ カテゴリ の人と集まる発端となったり、開き直って精神的に開放されるきっかけになっている人は、その後増えているような感じもします。
もちろん、いざ 「ネト充」 や 「おた充」 の人たちばかりが集まったら、その中で改めてランク付けやヒエラルキーが新しく作られたり、様々な軋轢なども生じるのでしょうが、興味の対象や価値観が近いぶんだけ、妙に自分を偽らなくて済むので楽なのでしょうね。
なお 「ネットが充実している = ネットに精通している」 というわけでは全くないのですが、後には意味も拡散し、情報弱者 (情弱) の対義語として使われるようになった 情強 (情報強者/ 常に新しい情報を持っている、一般人が知らないような情報に精通している) との意味も付加されているケースがあります。 まぁ興味のある対象については詳しくはなるのでしょうから、これはこれで意味はあっているのかも知れませんが…。
「パソコンの大先生」 とは…?
引きこもり気味のネト充を、パソコンの大先生 と呼ぶこともあります。
これは不登校や引きこもりとなった青年・その家族を支援する盛岡市のNPO法人の活動を紹介するマスコミ報道において、「いじめ」 が原因で引きこもりとなった27歳の青年を紹介し励ます、NPO理事長のセリフから広く使われるようになりました (2009年1月8日の毎日新聞の記事から)。
引きこもりと云うと、部屋に閉じこもってゲームや掲示板への 書き込み だけを行なっている印象がありますし、この記事がでると、ある意味で 「パソコンの大先生」 なる無理やりな褒め言葉を他人事と笑えない、思えない境遇にいる人が少なくないこともあり、成句として テンプレ 化。 その後しばらくは他人への揶揄、罵倒として使われるようになりました (ただしこの言い回しが初出という訳ではありません)。
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