黒から茶髪あたりが多数を占める日本人らしい? 髪の色かも… 「黒茶髪」
「黒茶髪」(黒茶髪キャラ) とは、キャラクター の 髪の毛 の 色 が 黒 や暗めの 茶 系統のこと、あるいはそうした 髪色 のキャラばかりで構成される マンガ や アニメ といった作品・コンテンツ のことです。
黒や茶 (栗毛) は自然な髪の色として日本でもっともありふれているものですし、そこからやや外れるにせよ 金髪 や 銀髪 も、現実に存在する髪の色と考えられるでしょう。 しかしマンガやアニメの場合、真っ赤な 赤毛 くらいならまだしも、真っ青な 青髪、緑髪、紫髪、ピンク髪、蛍光色の髪といった、およそ現実の人間の髪色とは思えないポップな原色系の髪色のキャラは珍しい存在ではありません。
ある程度の色や彩度ならば、現実にも存在する赤毛や青みがかった髪色の強調・デフォルメ表現や、そのキャラの個性を引き出し差別化させるための演出的な彩色だと理解できますし、ファッションとしての脱色・染髪がある程度普及した現代ではさほどの違和感も覚えないかもしれません。 それでも小さな子供やファッションに興味のなさそうな優等生設定のキャラの髪が原色のように鮮やかで色とりどりだと、ちょっとした不自然さは感じるかもしれません。
「黒茶髪」 は髪色にある程度の写実的で自然さやリアルさを持たせようというキャラや作品、あるいはどんな色でも自由に選べる創作物で、あえて 地味 にも見える黒や茶を選ぶこだわりを持ったキャラや作品だということになります。 いかにも作り物っぽいマンガ的な色やアニメ感を避けようとしているのですね。
なお現実世界においては、1990年代中頃あたりまでの染髪はもっぱら中高年齢層のもので、染髪は 白髪 を目立たなくするために黒く染める白髪染めや、そのアレンジであるカラーリングなどが大半でした。 ヘアカラー自体が、ややもすると大人っぽいを通り越して老けて見える、若い女性からはおばさんくさくなるなどと敬遠されがちなものだったと云えるでしょう。 清楚でナチュラル志向という時代性があったからかも知れません (つけまつげや派手なマスカラなどが古臭いとして忌避されていた時代もあります)。
茶髪の若者への広がり
ひと昔前までは、一般の若者がわざわざ染髪や脱色をすることは少なかったでしょう。 目立ちすぎるし、学校でも禁止されていますから、生まれつき明るい茶色の髪をした生徒などは、逆に黒く染めてこいみたいな生活指導を受けることもあります。 中学生や高校生がちょっと背伸びして茶髪にするとしても、せいぜい夏休みなどの長期休暇中に少し冒険するくらいでした。
例外は不良・つっぱりと云われたヤンキー・アウトローの世界で、脱色によって俗にマッキンキンと呼ばれる金髪にしたり、金髪にした後に黒い地毛が伸びてきて金黒のツートンカラーになるなどは、暴走族やつっぱりの一部がするものというイメージが鮮烈でした。 それ以外だと芸能人やファション・美容関係者、あるいは夜の職業くらいであり、一般人 にとってはある意味 「非日常の毛髪色」 だったと云えるかもしれません。
髪の毛の色を抜いたり奇抜な色に染めるなどが一般層にも一気に普及したのは1995年から1996年あたりからで、俗に 「茶髪」 と云われる明るい茶系統の髪色は、人気歌手 安室奈美恵さんに影響を受けた 「アムラー」 や、前後して広まったギャル文化とともに大ブームに。 一部では 「うんこ色」 などと罵倒されつつも、その後はすっかり定着することとなりました。
ファッショントレンドは一定の期間ごとにローテーションしがちですから、その後黒髪ストレートのようなおしとやか・清楚系のヘアファッションのブームや人気の高まりもあります。 とくにバブル経済が崩壊し、不景気となって就職氷河期が訪れると、若者の間で奇抜なファッションは避けられるようになってきます。 とはいえ一度広まった茶髪文化やカラフルな染髪はブームを終えてもすっかり当たり前のものとなり、世界観 によっては黒茶髪のみで構成された作品こそ逆にリアリティに欠けるような状況にもなっています。