居場所がない、帰れない、いつもの生活が送れない… 「難民」
「難民」 とは避難する人、避難民のことですが、日本語ではもっぱら、人種や国籍、宗教、政治的立場といった様々な理由で、自国や特定の社会集団において迫害を受けたりその強い恐れがあり、自分が属する国や社会集団から他国や他地域へと逃れている人を指します。
国連による 1950年UNHCR事務所規程、1951年難民条約、1967年難民議定書によって定義され、上記理由により国際的な保護が必要な人たちとされています。 平時や戦時を問わず当てはめられますが、大量の難民が発生する場合は何らかの地域紛争や戦争、あるいは内戦などを原因とすることが多いでしょう。
これらの言葉が転じて、大きな困難に直面した人、寄る辺なく居場所がない人、いつもの生活が送れなくなった状態を広く難民や○○難民といった言葉であらわすことがあります。 例えば台風や地震といった災害で公共交通機関が止まり、勤務先などから家に帰れなくなった状態を帰宅難民と呼ぶ、経済的困窮などから住む家をなくし、ネットカフェで寝泊まりする人をネカフェ難民と呼ぶなどは、大手メディアの報道も含め、広く使われるアレンジした言葉でしょう。
一方で、本来の難民が人命や財産を含む過酷な危機、迫害を受けている人たちを指すものであるため、あまり軽い意味で使うのは不適切だとの意見もあります。
好きなアニメが終わった…常駐先の掲示板が落ちてる…様々な難民
おたく や 腐女子、あるいは ネット民 の間でも、様々な○○難民があります。 例えばずっと楽しみに見ていた アニメ やテレビドラマなどが終わってしまった場合、その番組名や略称の後に難民をつける使い方はポピュラーです。 また ネトゲ がサービスを終了した (サ終)、常駐 していつも見ていた ネット の 掲示板 が 落ち ていて利用できないなどのケースでも、よく使われるでしょう。
それまで見ていた時間や通っていた時間にすることがなくなり、寄る辺ないさまよい人のようになってしまうのをちょっと大げさに難民と呼ぶわけですが、掲示板などの場合、復旧するまで代わりの場所が提示されたり、利用者らが何となくここだろうと思う場所に各々集うこともあります。 こうした代替の場は 避難所 と呼び、そこに集まる人は避難民と呼びます。
なおこうしたケースを指す別の言い方に 「○○ロス」 もあります。 これは 「ペットロス」(飼っていたペットが死んで悲しさ・寂しさのあまり心に穴が開いたように茫然となる状態) から転じた言い回しとなります。
一方、単に困っている、自力で何とかする方法がないといったケースで、より細かい状況で使うこともあります。 例えば特定のネトゲで持っていないとプレイに支障をきたすような レベル の キャラ や アイテム・装備品 (人権) を持っていない、あるいは入手する手段すらない (取り返しのつかない要素) に陥った プレイヤー にも、そのキャラやアイテム名を接頭した○○難民がよく使われます。