「クラスタ」 が広く使われるにつれ、対概念も…「アンチクラスタ」
「アンチクラスタ」(Anti-Cluster) とは、何かに接尾して 「嫌っている人たち」 や、「嫌っている」 という状態、そうした自分の気持ちなどをあらわす ネットスラング の一種です。
クラスタ とは、ネット の世界での集まりとか グループ、集団、ひいては特定の何かが好きな人、興味を持つ人、ファン を指したり、同じ ジャンル や カテゴリ が似た人たちを指す言葉です。 転じて、「私は○○が好きだ」 という意味で、「○○クラスタ」 などと使ったりもします。
「アンチクラスタ」 はこの対義語となり、ファンの対の 概念 となる アンチ を接頭し、「私はファンではない、好きではない」 を、強く示す言葉となります。 例えば おたく を嫌う人なら 「おたくアンチクラスタ」、同人 が嫌いな人なら、「私は同人アンチクラスタだ」 などとなるでしょう。 この場合、「○○アンチクラスタ」 でも 「アンチ○○クラスタ」 でも、意味は同じです。
キャラアンチ、キャラヘイトとして使われることも
ただし 「好き」 の対義語は一般に 「嫌い」 ですが、その間には 「無関心」 や 「興味がない」 がありますから、通常は 「アンチ = そうではない」(好きではない) ではなく、嫌いだという感情を強く打ち出し、ネットの世界で批判したり 叩く ような特徴を持つ言葉ともなっています。
「クラスタ」 という言葉自体は昔からあり、上記のような内容での使われ方も、局所的には パソコン通信 の時代にもあったのですが、多くの人が使うようになり、ある種の流行語のような形にまでなったのは、もっぱら Twitter などのミニブログで使われるようになった、2000年代末からです。 言葉として 「クラスタ」 が広がるとともに、その後対概念も登場。 それがこの 「アンチクラスタ」 なのでした。
なお特定の作品タイトルや キャラクター などとセットで使われるアンチクラスタの場合は、キャラアンチや キャラヘイト の意味で使われる場合もあります。 またキャラも嫌いだがそのキャラのファン、クラスタも嫌いだ、馴れ合い がキモくて嫌だ、などというケースでも、アンチクラスタは使われます。 ただしこの場合は、「○○アンチクラスタ」 と 「アンチ○○クラスタ」 とでは、使い方によって意味が変わる場合もあります。 前後の文脈を見ないと判断はしづらいでしょう。