「逆神」 の逆をいけば勝てる! いけるッ!
「逆神」 とは、予想や予測がことごとく外れる人、言ってることが必ず逆目になる人のことです。 多くの場合、こうした傾向を持った評論家やコメンテーター、SNS で数多くの フォロワー を持つ インフルエンサー やアクティビストを指して使われ、「逆神の○○がそう云うのなら、間違いなく結果は反対になるだろう」 なんて感じで使います。
予想の ジャンル は様々で、国会議員選挙などの勝敗の行方、株式市場の行方、戦争や軍事行動の予測、あるいはスポーツの試合の勝敗予測やギャンブルの行方、アニメ や マンガ、ゲーム のソフトやハードの売れ行き予想などを、神懸り的な正確さで外し続ける人となります。 なお類似の言葉として、株式の世界では 「曲がり屋」 あるいは出遅れて損ばかりする 「リバースインジケーター」、競馬などギャンブルの世界では 「外し屋」 などとも呼びます。
「逆神」 そのものの語源としては、宗教の世界での 「逆神」 がそのまま使われている感じです。 恨みを持つなどして幸福なご利益ではなく 不幸、災いをもたらすようになった神様を 「逆神」 と呼びますが、それがそのまま転用されているのでしょう。 人間が祈祷や占いなどを通じて神様の意思、意向を伺い得るものを 「ご神託」 といいますが、「逆神」 の場合には 誤変換当て字 にして 「誤神託」 などと呼んだりもします。
それぞれの分野ごとに、八百万の 「逆神」 たちが…
ネット の 掲示板 などでよく触れられる 「逆神」 としては、政治の世界では森田実氏、中村慶一郎氏、松田光世氏、選挙では福岡政行氏、犯罪では田宮榮一氏、軍事関連では田岡俊次氏(田岡元帥)、神浦元彰氏、経済の分野では紺谷典子氏、浜矩子氏(紫ババア)、株式相場では北浜流一郎氏、精神分析の世界では香山リカ氏、占いでは細木数子氏、サッカーでは金子達仁氏、競馬では吉岡美穂氏、原発事故・放射線被害に関しては広瀬隆氏、武田邦彦氏、岩上安身氏、早川由紀夫氏、胡散臭い副業や仮想通貨周りではイケダハヤト氏 (イケハヤ) などがよく話題に登ります。
多くの場合、彼らが自信たっぷりに 「○○が必ず勝つ」 と断言すればその逆に敗北し、「○○が上がる」 と云えば下がり、「○○が 優勝」 と唱えれば一敗地にまみれ、「○年後にこうなる」 と云えばまず実現しません。 怖いもの見たさのエンタメとして消費するならともかく、うっかり信じてついていった場合、予想が外れて 爆死 することになるようです。 中でも経済分野での浜矩子氏の逆神ぶりは抜きんでるもので、ほとんど伝説化しているといって良いかもしれません。
ただし全員が最初から最後まで外しっぱなしという訳ではなく、彼らがその世界で名をあげ世に出始めた初期の頃にはかなりの的中率を誇っていたり、それなりの信頼を勝ち得ていた場合も少なくありません。 多くの場合、自分の信念なり贔屓なりに集中してしまう 党派性 が強いあまり、勢いあまって間違いを断言したり、引っ込みがつかなくなって無理に無理を重ねるという感じなんでしょうか。 長年活躍している人なら、加齢による判断力の減退もあるのかもしれません。
とくに自身の専門分野ですら外しまくっているくせに、さほど詳しくなさそうな専門外の分野にいちいちいっちょ噛みで口を出すような人は、逆目打率もすさまじいものがあり、専門家や論客だという以前に、人間としての正常な思考力の有無を疑うしか理解できない状態となっています。
逃げ道を作らず断言する姿にある種の好感度も
テレビなどに登場するコメンテーターや評論家は、単に予想をしているだけではなく、それなりに自分の予想に隠された意図や本当の目的を持っていたりします。
例えば金融系のシンクタンクの論客などは、経済の変わり目には大半の人が間違った予想をしているものですが、これは彼らが 無能 であるという訳ではなく (実際に無能な人もいるんでしょうが)、株が上がる、今がチャンスなどと煽って、自分のシンクタンクの親会社や取引先の銀行なり証券会社なりを儲けさせよう、あるいは彼らに不利な情報を発信して悪目立ちして目をつけられないための保身のためにそうしているのでしょう。 いわゆる ポジショントーク ってやつですね。 そしてしばしば、外れた時の保険として、「後になったらどうとでも言い逃れが出来る」 ような付帯的な前提条件を、やたらとつけます (「○○が□□なら、△△になる」、みたいな)。
これらの人たちに比べると、上記で名前を挙げた人たちは結果的に予想のほぼ全てが外れてはいるものの、ある程度きっぱりと予測を 「断言」 の形で明瞭に提示している点で、「愛すべき評論家」「憎めない名物コメンテーターたち」 と呼べるケースもあるのかも知れません (まぁ経済や原発関係などは、明確なデマ発生源となっている悪質な人もいて、ひどい実害をもたらしてる言語道断な人もいますけど)。 あいまいな、どうとでも取れる予想では予想になりませんし、テレビ的にもネタ的にも、白黒 はっきりしている方が好ましいと考えられているのでしょう。 何より、それをありがたがる視聴者の存在があるのでしょうから。
こうした人たちが味方につくと、ついた方が負けるケースが多いので、そうした状態を 「法則」「あの法則」 などと呼んだりもします。 これは、歴史上韓国 (朝鮮) と組んだり一緒に戦った味方の国がやたらと敗れていることを揶揄する中で、「韓国のあの法則」 などと呼ばれるようになったものが転用されるようになったものです。 「無能な味方は敵より怖い」 というわけで、掲示板 2ちゃんねる のハングル板などで話題となり、一部で広まりました。
逆神が口だけでなく実際に経営や政策判断をすると…疫病神
ちなみに単にコメンテーターとして発言したり本を著すだけでなく、実際に企業や団体の経営・運営 に携わったり、政府系のシンクタンクや公的な提言を行う立場となって 「実害」 を生じるようになると、単なる逆神ではなく疫病神や貧乏神、あるいはボンビー、キングボンビー (「桃太郎電鉄」シリーズに登場するキャラクター「貧乏神」)、さらには国富を蒸発させたとして売国奴などと呼ばれるようになります。
こうした疫病神が参画すると企業なら業績の悪化やサービスの劣化が生じたり、その企業に勤める労働者の権利が奪われたり、役所なら国民に大きな経済的被害が及ぶこともあります。 民間なら原田泳幸氏や西室泰三氏、竹中平蔵氏、役人なら三重野康氏あたりがその代表でしょうか。
なお個々人を逆神とするだけでなく、例えば財務省や経済産業省などの中央省庁、経団連、大手メディア・マスコミ (マスゴミ) といった組織や団体全体が逆神や疫病神だとする意見もあります。 とくに公的組織の場合、景気動向や公共事業推進に対する杜撰な利用見積もりなど様々なものが挙げられ、実質お役所やその外郭団体の予測は全部逆神みたいな扱いでしょう。
なかでも財務省の増税を前提とした景気予測、国交省の高速道路新設における利用予測、経産省のオールジャパン戦略や日の丸○○、日本版○○といったプロジェクトのあれこれ、農林省や水産庁の海洋資源保護のための予測、社会保険の維持を前提とした少子化対策の人口問題研究所あたりの未来予測は、自分たちが進めたい政策に都合よく捻じ曲げたような数字や予測が並び、あるいは一部は隠蔽され、戦前・戦中の大本営発表よろしく、ほとんどデタラメに近い常に失敗したり間違ってばかりの代表格でしょう。