謎めいた終わり方に興味を掻き立てられる… 「考えオチ」
「考えオチ」 とは、物語の締めくくり、最後のシーンが謎めいた終わり方をする結末のことです。 元々は落語の 落ち のつけ方のひとつで、よく考えないと意味やおかしみがわからない、しばらくして 「あ、そうか」 と腑に落ちて笑いにつながるようなひねった落ちや ネタ を指します。
ここから転じて マンガ や アニメ といった話芸以外の物語や エンタメ系 の コンテンツ などでも、謎かけのような終わり方、わかりやすいオチが提示されない結末などを考えオチと呼ぶこともあります。 落語のそれと同じように難解な内容で 作者 が提示した謎を指して使うこともあれば、複数の 解釈 が可能な終わらせ方をして 読者 や視聴者らにオチを丸投げしている様を揶揄したり、単に読者や視聴者らの常識や教養が及ばずに結果的に考えオチになってしまう場合があります。
わかりやすいオチ、オチらしいオチは物語をすっきりと閉じる機能がありますし、単純明快さから爽快感もあります。 一方であまり頭を使わずに理解できるため、薄っぺらく感じられることもあるでしょう。 しかし考えオチの場合は、受け取り側があれこれと考えてそれぞれの解釈や答を見つけるため、奥行きを感じられたり、印象にも残りやすいものになるかもしれません。 一方で理解力の足りない読者や視聴者だった場合は勘違いしたオチで納得してしまったり 深読み のし過ぎを招くなど、物語の価値を減じる結果になることもあるでしょう。 「作者なら作者らしくちゃんと物語を締めろよ」 という意見も多いかもしれません。
なお不条理・シュールものの場合、理解できるかどうか (面白いと感じられるかどうか) は個人差が大きいため、分からない人には全く分からないものとなりがちで、分からない人が誤って考えオチだと受け取ってしまうことも少なくないかも知れません。 これらの ジャンル の面白さは感覚的なものなので言葉で説明もしづらく、作者はそんなことを考えていないにも関わらず、勘違いからやたらと 高尚 な作品かのような評価がされることもあります。