隙あらば自分語り、マウント、他者下げ… 「高尚様」
「高尚様」(こうしょうさま) あるいは 「高尚」 とは、同人 の世界において知識や教養をひけらかす鼻もちならない人、学歴や経歴といったプライベートな部分をことさらにアピールして上から目線でお高く留まっているように見える人を、揶揄・侮蔑する意味の 同人用語 です。
主に 2ちゃんねる といった ネット 掲示板 の同人系の板で使われ広まった言葉です。 高尚という言葉自体は 普通 の日本語でもあるので折々で似た ニュアンス での使われ方がなかったわけではありませんが、2010年前半に言葉として盛り上がり、主に 「高尚様について語ろう」 という スレッド にて 概念 や定義、ありがちな特徴があれこれ集められ作られるようになっています。
「高尚様について語ろう」 における定義
・学歴、家柄、豊富な知識、ジャンルを一番愛してるアタシ等々が自慢でドヤァ
・作品論、自分語り大好き、立派で「高尚」な自分が大好き
・それくらいならまだいいが自分を持ち上げる時、他をいちいち貶める
・ジャンル内で平気でケンカを売る
・なのにステキな人として尊敬されないと気が済まない、実際は鼻つまみ者
・大仰なことを言う割に作品が微妙。
だいたいこんな感じの人のことです。
「高尚様にありがちなこと」 で盛り上がる
高尚様を扱う板やスレでは、高尚様個人の性格やコミュニケーションの取りようを指す場合もあれば、そうした人が制作する作品の傾向 (もっぱら小説や SS、マンガ など、物語のある創作が多い) を指すこともあります。 ただし 趣味 趣向は個人の好みなので、特定の ジャンル を指して ネガティブ な意味の高尚と呼ぶのは避ける傾向があり、あくまでその人個人の創作スタンスやスタイルを指す場合が多いでしょう。 とくに文章を書く人を指す場合は、字書き を接尾して 「高尚字書き」 と呼んだりします。
本来の高尚は、知的で俗なところがなく上品で気高く、程度や レベル が高いといった意味の言葉です。 「高尚な趣味」 とか 「高尚な学問」 と云えば、ハイレベルで品格のある趣味や学問となります。 しかし一方で、「浮世離れしている」「非現実的」「身の丈に合わない」「気取っている」 といった皮肉や当てこすりとして使うこともあります。
同人用語としての使い方はもっぱら皮肉や当てこすりの場合が多く、「無理やり難しい言葉や専門用語を使う」「作品の 設定 や前提条件などに凝るのはいいが、難解すぎて独りよがりな上に、知識がなかったり理解できない人に対して平気で侮蔑や マウント行為 を行う」「自作品に対する自画自賛、芸術家気取り」「隙あらば自分語り で自分が大好き」「二次創作 で他者の作品の 解釈 や考察などを小ばかにする」「変わり者扱いされると喜ぶなど 中二病 の傾向が強い」「あれこれ偉そうに意見をするが実際の作品はいまひとつ」 といった状態を揶揄する意味で使うケースが多いでしょう。 比較的近い 属性 は 意識高い系、やや異なるものの重なる部分も多いものでは オサレ、高CQ や ○○警察 あたりになりましょうか。
また他者と交流をせず、孤高の存在を気取って孤独な創作活動を行っている人、あるいはその人が認めた人以外とは交流しないような人、逆に過度の構ってちゃんを揶揄するような使い方もあります (これについては定義も様々で異論も多いです (後述します)。 いずれにせよ、「何だか偉ぶって小難しいことや見当違いの 深読み ばかりやってる、鼻持ちならないナルシスト」「遠くで見ている分には面白いけれど、身の回りにいるとストレスになる 痛い人」 みたいな使われ方が大半でしょう。
高尚様とレッテルを貼っている方が痛い人の場合も
高尚様の定義も細かいところで人によって様々ですが、それ以前に、他人に対して 「高尚様」 などとレッテルを貼って笑っている方こそ、他者に厳しいだけの痛い人というケースも、実際はかなりあります。
例えば特定のジャンルの小説とか イラスト、マンガなどでは、これくらいは押さえておかないと理解できないという最低限の知識や教養があります。 例えば歴史ものや時代ものの作品で、義務教育で習うレベルの言葉や概念をいちいち質問されたり、「わかりづらい」「註釈くらいつけろ」 と文句を云われても困ってしまうでしょう。
またこつこつと作品を制作して 投稿 している人に、他者との交流や 馴れ合い (例えばお互いの作品の感想を述べあうとか、同人イベント の後の オフ での 絡み) を一方的に求め、断られたり無視されたのを 「人付き合いが悪い」「自分のような 底辺 とは絡みたくないってか? 大手 気取りかよ」 などと逆恨みから高尚呼ばわりされてもいい迷惑でしょう。
とくに掲示板などで、名指しはしないまでもわかる人にはわかるような書き方で特定の 同人作家 や サークル を挙げる場合、バッシング を目的とした 晒し上げ の意味も強く、単なるヲチ (ウオッチ) の範囲を越え、尾ひれをつけたり話を 盛った 高尚様認定も少なくありません。
趣味の創作や個人的な感想や意見、お気持ち などは、自分が好きなように書いて好きなように発表すればよいので、自分の考えを相手に押し付けたり、あまり他人に求めすぎないのも大切です。 嫌なら見るな・not for me です。 また他人から高尚様などと呼ばれても、あまり気にし過ぎないことが大切でしょう。