エヴァンゲリオンの二次創作小説界隈で…「高CQ」
「CQ」 とは 「厨房指数」 のこと、「高CQ」 とは、それが高い人のことです。
厨房 (厨) とは、常識が通用しない生意気な中学生のような人、あるいは 電波、頭のおかしい人といった意味の ネットスラング ですが (中学生の坊主 → 中坊 → 厨房となった、誤変換当て字 による表現)、この 「厨房」 の度合いを測る 「CQ」(Cyuubou Quotient/ 厨房指数) という 概念 が発生。 「高CQ」 と云えば 「高いCQ」、すなわち 「厨房指数が高いやつ」「まぎれもないホンモノの厨房だ」 という意味になります。
言葉として使われるようになったのは2001年頃で (後述します)、元々が罵倒・侮蔑のための言葉や概念ですし、やたらとそれが高い人の場合に話題になることもあり、厨もCQも高CQも、ほどんど同じ意味で使われるケースが多いのですが、他にも 「極悪厨房」「最悪厨房」「超厨房」 などといった呼び方で、同じように厨の度合いの強さをアピールする場合もあります。
ただし 「厨」 は何かの言葉に接尾してその厨房の傾向を指す使われ方がとても多いので、(例えば原作至上主義の人は 原作厨 となります)、特定の カテゴリ に属する厨房を表すのではなく、個々人の厨房の電波の強さ、痛さ や 香ばしさ を表すには、「高CQ」 は発祥の場を離れ概念が若干ぶれたとしても、使うのに便利な言葉ともいえます。 「最悪厨」 だと、「最悪にこだわる厨房」 なのか、「最悪の厨房」 なのか区別がつかず、分かりません (普通は前者を指すことになってしまいます)。
なお ネット でとても似たような使われ方をする言葉に DQN や メンヘラ、ゆとり というのもありますが、これらの用語はそれぞれで、ニュアンス が若干、もしくは大きく異なります。 また複合して使われるケースもあります。
エヴァの 「SS」 の界隈で頻出…「高CQ」
こうした言葉の概念は アングラ系 の大規模な 掲示板 を中心とし、1990年代から存在していましたが、「CQ」 や 「高CQ」 そのものは、2ちゃんねる の 「エヴァンゲリオン@2ch掲示板」(エヴァ板) のエヴァ小説 スレ の利用者らが発案し2001年頃に言語化したようです。 その後 「イタいエヴァ小説作家を観察するスレッド」 などでまとめられ、以降ここから言葉が広がるようになりました。
この 「エヴァ系」 の SS (文章による 二次創作、ショートストーリーや妄想読み物) の世界では、とりわけ初期の頃は カップリング (CP) やごひいきの キャラクター、それを利用した作品や表現方法に対する論争 (のみならず、バトル や キャラヘイト など) が苛烈を極め、2大勢力となる 「LAS」(Love Asuka Shinji/ アスカ×シンジ) を支持する人と、「LRS」(Love Rei Shinji/ レイ×シンジ) を支持する人とが鋭く対立し、日夜火花を散らしていました。
作品そのものの内容やその 解釈 を指すのはもちろん、それぞれの立場の人がおのおの痛い 同人作家 や香ばしい作品、厨サイト を調べて観察 (ウォッチ/ ヲチ) したり 晒し たり (作者 やサイトは普通で、晒している人の方が高CQの場合も多い)、その際のおかしな行動 (煽り耐性 がないため、誰かに 煽られる とすぐ逆上する、掲示板で 荒らし や 自作自演 をしている、意味不明の 厨メール を送ってくる、などなど) をCQの高い行為などとするようになっています。
カップリング論争は やおい系 や BL系 でも苛烈なものですが、どんな ジャンル でも 趣味 の世界となると妥協は難しく、最終的には個人の 人格攻撃 に走りがちで、なんとも大変なもののようです。