最後の1ページでどんでん返しの淫乱オチ
「淫乱オチ」 とは、物語の結末で登場する キャラクター の 受け と 攻め との立場が入れ替わり、「も…もう勘弁してくれぇ〜」 といったセリフを攻めキャラが絶叫しながら終わる マンガ の事です。 「下克上オチ」 あるいは受けキャラが女性の場合、「痴女オチ」 などとも呼びます。 物語のオチではなく途中でそうなる場合は 「淫乱堕ち」 として、淫乱になるという意味に限定することもあります。 単に快楽に溺れるだけなら 「快楽堕ち」 になります。
通常のマンガでは、キャラの性格に対する 設定 はよほどのことがないと変わらないものですが、エロマンガ、いわゆる 18禁 マンガでは、かなり頻繁に見かける 「オチ」 の着け方としてポピュラーな結末といえます。 最初は哀れな受けキャラがどんどん快感に身もだえ興奮して 乗って きて、攻めているはずのキャラに 「もっともっとぉ〜」 とおかわりを要求して騎乗位で腰を振り出し、度重なる要求に攻めキャラがやせ細って 「た…助けて…もう粉もでましぇ〜ん…」 なんて助けを求めて終わるようなオチになります。
最初にこうした 「オチ」 をエロマンガで着け始めたのが誰なのかはわかりませんが、落語の世界でも、浮気した男や女泣かせの色男が後で酷い目に遭う…なんてお話は結構ありますので、エロ話、艶話の様式、ある種の 王道・お約束 として普遍性があるんでしょうね。
コミカルなオチで、途中までの鬼畜表現を緩和
こうした 「オチ」 が良く作られる理由として、ひとつには、陵辱系 などの 「無理やりエッチする」 タイプの物語だと、どうしても重く、また悲惨なストーリーとなってしまうので、読後感を良くし 「ギャグタッチ」「お笑い」 で物語を〆るのに都合の良い 「どんでん返し」 だからでしょう。
陵辱系や 鬼畜系 の作品は、そのままストレートに描くとひたすら 「救いがない」 ような状態になりがちですし (そういう救いのなさが鬼畜の本道なんでしょうけど)、結局のところ最後はエッチをする訳ですが、受けキャラが主導権を奪い取ることで、悲惨さや罪悪感はかなり薄められるでしょう。
なおこれらの物語様式は、カップリング とは別途に考えるべき カテゴリ のもので、例えば特定作品で1度や2度攻守が入れ替わったからといって、リバーシブル とは普通呼びません。 ただし、リバーシブル (リバ) 傾向のある組み合わせで比較的見かける 「オチのつけかた」 ではあります。