想像の翼広げて…「別軸」
「別軸」 もしくは 「別軸カップリング」 とは、異なる時間軸、1本につながらない独立した別のストーリーでの キャラクター の取り扱い、あるいはキャラの組み合わせ、カップリング (カプ/ CP) を指す言葉です。 要するにそれぞれが関わり合いのない別世界のお話ですという意味で、この場合、広い意味で パラレル などと呼ぶ場合もあります。
「別軸カップリング」 という言葉で表される場合もありますが、通常は 「別軸」 だけで使ったり、別軸を他のカップリング要素の何かに接頭して、自分の創作の ジャンル や好みを表す使い方が多くなっています。 例えば 「別軸」 で 「リバーシブル」 の組み合わせなら 「別軸リバ」「総受け」 なら 「別軸総受け」 といった使い方をします。 元ネタ となる原作がある場合、原作と違う世界なら 「原作別軸」 です。
なお対義語は、「同軸」 となります。
こうした取り扱いは BL を扱った ゲーム などでは 概念 として分かりやすいものです。 例えばゲームを進めていて、1回のプレイでキャラ○○と△△の 受け と 攻め の立場が逆転するのは 「同軸リバ」、ゲーム終了まで交わらない分岐が フラグ などによって途中で発生し、分岐後にAルートとBルートとで反対の立場が登場しそのままエンディングに至る場合は 「別軸リバ」 という扱いになります。
カップリングの方向性が変わる場合、別軸と同軸でニュアンスが変わります
既存の アニメ や マンガ、ラノベ や ゲーム などを元ネタとした 同人 における 二次創作 や パロディ において、カップリングの種類や方向性は極めて重要です。
なぜなら、受け・攻め といったキャラの行動パターンは、そのキャラが持つ性格や気質、特徴、人格、ひいてはそのキャラの魅力そのものから決まってくるからです。 それが逆の方向になってしまっては、「このキャラならこの場合、こういう行動をするはずだ」 と ファン が感じているイメージを裏切る結果にもなりますし、双方向 (リバーシブル) では、途中でキャラの性格が変わってしまう、あるいはカップリングでの2人の関係性が変化してしまい、性格が掴みきれず戸惑う原因にもなります。 これがさらに進むと、「自分に都合よくキャラを動かすために性格を勝手に変えている」「自分の好きなキャラのために私が好きな別のキャラの性格を捏造している」 ともとられ、それはしばしば逆の立場のファンから強烈な拒否反応を招き、地雷 として扱われる場合もあります。
こうした考え方は、カップリングやその方向性にあまりこだわらない立場の人からは、「関係性ばかりに注目している」「関係性とは無関係にキャラが好きだで良いではないか」 との批判もありますが、ともあれパラレルなどもそうですが、様々な対立する概念、好みを持つ作家やファンが、自由な発想や好みを堪能し、逆の立場を割りきって考えられる、ある意味では共存のための知恵なのかも知れませんね。