ある意味、一種の王道と云や王道とも云えますが…
「夢オチ」 とは、物語の結末が 「ぜんぶ夢でした…ちゃんちゃん」 な マンガ の事です。
ストーリーを考える手間が省ける上に、オチ がこれならどんなに極悪非道・鬼畜エロエロな仕打ちを登場人物に与えても、あるいは 鬱展開 や支離滅裂な内容があっても、最後には何となく救済と言い訳がはかれるため、同人 の 界隈 では非常に重宝されている方法の一つです。
商業 作品では、最近はさすがにあまり見かけませんが、同人マンガの世界では、未だ頻繁に使われている荒技のようですね。 これは、同人作家 にアイデア貧困な人が多い…と云うよりも (それもあるでしょうけ
例えば 18禁 のエロマンガを描きたい作家さんの場合、なにより 「そのシーン」 や 「その 絵」 が描きたい訳ですが (これは、読み手側からの 需要 でもあります)、取りあえず最後のページで、「はっ…! 夢だったのか…」 と2〜3コマ描けば収拾がつくこのオチは、非常に効率的で無駄がなく、都合が良いのですね。
さらに人気の アニメ・ゲーム の キャラクター などのエロパロ作品を描く場合、あまりに非道い内容ですと、“同じキャラの ファン の目” が気になるものですが、このオチなら 「全ては夢なんだから…」 と、冒頭で述べたように言い訳が立ちます (もっと掘り下げると、好きなキャラにいけないと思いつつ邪悪な仕打ちをしてしまう自分自身を、合理的に納得させる方法でもある訳です)。
とは云え、所詮夢オチは夢オチ
絵とストーリー、どちらがマンガにとってより重要か… なんて命題はナンセンスですが、もし絵に凝るのなら、ストーリーにも十分なこだわりが欲しいところ。 夢オチ頼りもほどほどが良いようです (反対に、絵にもストーリーにもこだわらない時に夢オチを使う…って手もありますが、この場合は本人さえ納得してれば、他人は誰も読みたがらないでしょうから、まぁ問題はないかも(笑)。 → 妄想オチ → 淫乱オチ
なお夢オチにもパターンはいろいろあり、例えば 普通に 夢オチで終わりながらも、夢の中 (それまでのストーリー) で登場した アイテム や状況変化をさりげなく画面に入れて、「夢だったのか、それとも本当だったのか」 なんて謎かけをして奥行きを出したり、あるいは朝、目覚めのシーンから始まって、エンドレスに同じ夢をキャラに見せ続けたり…あるいは妄想オチと夢オチを複合させたりと、パターンはいくつもあります。
単なる夢オチでは申し訳ない…なんて、作者 の言い訳、エクスキューズな感じもしますがw、テンポが良いと読後に不思議な余韻が残ったりして、ここらは作家の腕の見せ所って感じでしょうか。