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快楽堕ち

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おやおや身体はそうは言うてまへんなぁ… 「快楽堕ち」

 「快楽堕ち」(快楽落ち) とは、望まない性行為に身をゆだねさせられている キャラクター が、自分の理性や意思 (精神) に反し、抑え切れない性的・肉体的な快感・快楽に溺れ、葛藤の末にそれに屈してしまうことです。 この 概念 の前提として、受け (この場合は、性行為を行われる側) が、性行為を拒絶していたり、少なくとも望んではいない必要があります。 それでも性行為になるのは、陵辱 (強姦・レイプ)、あるいは 痴漢 や性的いたずらなどが行われていることを意味します。

 この場合、屈してしまうという負け (陥落・服従) の描写にはいくつかのパターンがあります。 理性や強い意志で性行為や性的快感を拒絶していながら、最終的に肉体だけはどうしても反応し屈してしまうケースが一つ、もう一つは肉体的快感が勝ちすぎて理性や意思もろともに陥落してしまうケース (完堕ち) です。 女性が男性のそれで堕ちることはチン堕ち、逆はマン堕ちと呼ぶこともあります。 さらにもう一つ、理性や意思のみが負ける場合 (全く感じないが身体が汚されたことに打ちのめされたり、相手の必死さに同情して精神的に受け入れてしまう…など) もありますが、この場合は当然ながら快楽堕ちとは呼びません。

 一方、屈したり負けるのではなく、精神的に逃避、あるいは崩壊する場合もあります。 この場合、理性や意思はもちろん肉体的にも最後まで拒絶し続け、最終的には茫然自失となって、レイプ目空キレイ になったりもしますが、この場合ももちろん快楽落ちとは呼びません (放置系 とか呼ぶことはあります)。

 快楽堕ちが好きな人がどこに魅力を感じるかは人それぞれなのでしょうが、拷問・虐待における屈服・服従と同様、精神的な部分での征服感・支配欲 (逆に行為を受けるキャラに 感情移入 した被虐的・自虐的 な欲望) の発露といった部分が大きい気がしますから、肉体は堕ちたけれど精神はギリギリでそれを拒むあたりが一番の訴求ポイントでしょうか。 心身ともに堕ちてしまったり、自我を失うような状態となっては面白くない、精神や理性と快楽のせめぎ合いこそが魅力と云う訳です。

 また快楽堕ちをある種のハッピーエンドと捉えるか、胸糞 の悪いバッドエンド、鬱展開 と見るかの違いもあります。 一般的には気持ちよくなってよがることから歪んではいるけれどハッピーエンドのうちに入るという見方が多いような気がしますが、そこに性暴力を加える側の都合の良い免罪を感じたり、加えられる方に 「性暴力を加えられる」「でも身体は反応してしまう」 という2重の辱めを与えるものだとして悲劇や暗いものを感じる人もいます。

 なお快楽堕ちのシーンで物語が終わる物語は、結末を示す オチ と組み合わされ 「快楽落ち」(快楽オチ) とする場合もあります。 物語の中盤で堕ちるか、最後に堕ちてオチを着けるかの違いであり、物語の描き方や作品中の意味付けとしては異なる扱いがされますが、行為の描写そのものにはあまり違いはないでしょう。

身体の反応は意思によるものか

 男性にしても女性にしても、性的な身体の反応は、必ずしも本人の意思によってコントロールできるわけではありません。 まるで 脊髄反射 や条件反射のように体が勝手に反応する場合もありますし、性行為における男性の勃起やカウパー腺液 (ガマン汁/ 先走り汁) の分泌、女性の膣分泌液 (愛液) も同様です。 あそこの勃起を抑える、あそこが濡れるのを抑えるという抑制部分はほとんど本人には不可能な場合もあり、エロマンガなどでありがちな 「おやおや、口では嫌といってるが、あそこは濡れ濡れで準備万端やないか」 みたいなセリフは、実際はほとんど意味がありません。 梅干しを見たら唾液が出る、高いところにいったら 玉ヒュン したり足がすくむのと同じです。

 このあたりは、痴漢といった性犯罪者が 「相手は嫌がっていなかった」「濡れてたし」 みたいな 認知の歪み から 「合意があった」「受け入れられた」 と思い込むのと同じでしょう。 創作物の ネタ として扱うならともかく、それを本気で信じている場合には病的な何かを感じますが、一方で勃起している男性を見れば女性は性的に興奮し反応していると思うことも多いでしょうし、それぞれの身体的生理現象に対する無理解もあるのでしょう。

 とはいえ、創作物の中のキャラがどう思ったかなどは 作者 次第ではあるので、そこに免罪を感じられるなら免罪、2重の恥辱や冒涜を与えるものだと感じられるならその見方で楽しむのが 読者 としては正しいのでしょう。 それでもだめなら 嫌なら見るなnot for me だとして住み分けるしかありません。 一般に好意的に見る向きからは 「気持ちよさそうでよかった」 あたりが 鉄板 の反応でしょうか。

 なお単に快楽堕ちするだけに留まらず、それによって性行為の素晴らしさに目覚め、さらなる性行為を貪欲に求めるような描写の場合は 淫乱堕ち (淫乱オチ) あるいは性行為における役割としての受けと 攻め の攻守が逆転することから 下剋上 に倣い下剋上オチとも呼びます。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2000年7月16日)
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