全然大丈夫、何ともない、平気だってば! 「効いてないアピール」
「効いてないアピール」 とは、クリティカル な ダメージ をしっかり食らいながらも、「全くダメージを受けてない」「平気ですけど何か?」 と平静を装い虚勢を張ることです。
プロレスなどの格闘技の試合において、相手が繰り出した技が決まってない、効いていないと審判や観客にアピールするような状態と同じで、ネット の 掲示板 などでは、特定の話題で ファン と アンチ とが繰り広げる レス の応酬、バトル などで、一方にとって図星を突かれたり痛いところに触れられたケースでよく見られます。
例えば 推し のアイドルや声優に恋愛疑惑が生じた、アニメ の視聴率や DVD などの売上が少なかった、ゲーム がサービス終了したといった一部のファンにとっては辛い状況が発生したときに、「アイドルや声優としての〇〇を評価してるんであってプライベートとかどうでもいい」「いや、まだ確定したわけじゃないから騒ぐだけ無駄じゃね?」「未確認情報に踊らされてアンチはご苦労なことだな」 などとことさらに平常心をアピールするような 書き込み をしたりします。
アンチを喜ばせたくない…本当は辛いのに…
アンチが張り付いているような掲示板や スレッド には、何かマイナスな情報が出ると 「ざまぁwww」「どんな気持ち?ねえどんな気持ち?www」「効いてる効いてる」「もうやめて、○○のライフはゼロよ」 といったファンの神経を逆なでし 煽る ための書き込みがあります。 脊髄反射的 に顔を真っ赤にして真正面から反論するのも相手を喜ばせるだけですし、さりとて スルー もできない人にとっては、つい反射的に出てくる言葉がこうした強がりや虚勢なのでしょう。
一方で、その情報やニュースが本当に強烈なダメージを与えるものでそれに耐えきれず、他者へのアピールというよりは自分自身に言い聞かせるかのような、正常性バイアスが働いて情報を無視したり過小評価することで結果的に効いてないアピールのようなものとなっている場合もあります。 マンガ などで、殴られて頭から血をダラダラ流しながら 「ははは…大丈夫、なんともない、大丈夫だって…」 みたいなセリフをしゃべる シチュエーション がありますが、そんな感じでしょうか。
また場合によっては、同じように深刻なショックやダメージを受けた人がそうした書き込みを見て賛同・好意的なレスをつけ合い安心したり慰められるケースもあったりして、まるで傷ついた者同士で傷口の舐め合いをしているような、涙を誘う状況となっている場合もあります。
こうした行為はネットの中だけでなく、それこそ日常会話の中でも、ショックや動揺を隠すために誰でも行うものです。 しかし 殺伐 とした一部ネットの中は 「とにかく相手にショックを与えてやろう」「神経を逆なでして傷口に塩を塗り込んでやろう」 という人がうようよしていますから、触れられたくない困ったことがある場合には、パソコンやスマホから遠ざかるのが精神衛生上良いのかも知れません。
もっとも匿名の名無しさんならともかく、それまでその場で大きな存在感を持っていた コテハン (固定ハンドル)(自分で決めた同じ ハンドル (ニックネームのようなもの) の人だったりすると、その場から消えたり無視した時点で大ダメージ確定の負けのような感じもしますから、これは難しい問題です。