一部の同人サイトではお約束っぽい 「右クリック禁止」
「右クリック禁止」 とは、インターネット に アップ された ホームページ (ウェブサイト) をパソコン (PC) で閲覧する際に、マウスの右クリックをしないように注意喚起すること、あるいは JavaScript などで右クリックができない (右クリックしてもコンテキストメニュー (右クリックメニュー) が開かない) ようにサイトの 管理人 が 設定 を施すことです。 目的・意味としては、右クリックによって表示されるメニューを選んで行う 「文章や 画像 をコピーしたり保存すること」 を 「禁止します」 となります。
「右クリック禁止!」 のアラート表示 |
一般に Windows パソコンの場合、マウスの右クリックをするとショートカット機能が集まったコンテキストメニューがポップアップの形でディスプレイ画面上に開かれます。 例えば イラスト などの画像の上でマウスの右クリックをすると 「名前をつけて画像を保存」(F12) などが並んだメニューが現れますし、文字 (テキスト) を範囲指定して右クリックすると 「コピー」(Ctrl+C) といったメニューが現れます。
右クリック禁止、すなわちマウスの右クリック操作による機能の無効化を行えば、画像やテキストのコピーや保存がこの方法では難しくなりますから、画像やテキストの無断転載やパクリを防ぐ効果が見込めるでしょう。 また単に右クリックが無効化されるだけでなく、アラートボックス (文字ウインドウ) をポップアップさせて、そこに 「右クリック禁止!」 との文言を表示したり、サイトの規約などに 「右クリックを禁止します」 と注意書きをして規約の喚起や警告 (エラーメッセージ) をする場合もあります。
「右クリック禁止」 のためのタグ
右クリック禁止をする場合、サイトの HTML のbody要素部分のタグとして、
<body oncontextmenu="return false;">
を記述することで設定が行えます。
警告 (アラート・エラーメッセージ) をつける場合は、
<body oncontextmenu="alert('右クリック禁止!'); return false;">
で、右クリック禁止と同時に警告文の表示を行うことができます。
実効性というよりは、管理者の意思表示として使われる右クリック禁止
実際のところ、JavaScript による機能制限などは簡単に突破できますし、そもそもそのページを閲覧した時点で、パソコンのキャッシュ (データの一時保管場所) にデータが保存されてしまいます。 また画面キャプチャに対しては無力であり、閲覧者が本気で保存しようとしたらそれを防ぐ手段はほとんどありません。 相手がよほどの初心者でない限りはほとんど無意味に近い細工ですし、そもそも論でいえば、どうしても保存されたくないのならネットに文章や画像をアップすべきでない (アップするなら保存は防げないことが前提) とすら云えます。
とはいえ、同人系 のサイトの文章や画像の無断転載が広がったり、それに対処するためのノウハウとして右クリック禁止の JavaScript の配布などが広く行われたことで、「同人系サイトと云えば右クリック禁止」 のようなある種の お約束 みたいな感じにもなっています (とくに同人系の作品をあまり外部に出したくない女性の同人関係者に多かった印象です)。 切実な実効性と云うよりは 「みんながそうしているから自分も」 といった 雰囲気 的なものや、意思表示としての利用が多いのかもしれません。
こうした設定や処置を 「誰もお前の作品などパクらないよ」「自意識や被害者意識が高すぎる」 と揶揄する意見も少なくありませんが、実際イラストなどのパクリはかなり広範に行われていますし、場違いな所で配布などされて批判や迷惑を受けるのも 作者 です。 それを少しでも未然に防ごうとするのは作者の自由です。 また無断転載や配布、パクリの有無を問わず、文章にしろ画像にしろ 著作権 はそれを創った人 (=サイトの管理人、作者) にあり、著しく社会通念から外れたものでないかぎり、自分の創ったものに対しどのような利用規約を設けようとも、作者の自由でもあります。
企業・商業系サイトなどでも見かける 「右クリック禁止」
企業や 商業系 のサイトでも、芸能人などの写真が掲載されるニュース系のサイトとか、歌謡曲の歌詞を紹介しているサイトなどでは、同じように右クリック禁止が良く行われています。 また不祥事などを起こした個人や企業が、謝罪文などに対してだけ右クリック禁止にするようなケースもあります。
ちなみにうちのサイトの文章や画像などは、一部を除いて無断転載や 直リン 大歓迎なので、必要がありましたら右クリック連打連打でよろしくお願いします。