見え透いた理解者面の裏にあるものは… 「無害な俺」
「無害な俺」 とは、意識が高く 性的に清潔あるいは淡泊で、恋愛感情や性的関心抜きで女性と対等で気兼ねのない友人になることができる 「人畜無害な男性」 を装ったりアピールする男性のことです。 もっぱら女性が中心の集まりや話題に積極的に入り込み、その場にいる女性の意見に寄り添い強く共感してみせ、「男性でありながら女性の全面的な味方、理解者」 として振舞います。 とくに 人権 やフェミニズム、ジェンダー問題では一家言を持ち、ことさらに同性である男性やその加害性を第三者目線で批判したり、まるで男性全体の代表者かのような顔をして自己批判したり謝罪し、女性への連帯を声高に表明します。
女性に寄り添い共感し人懐っこい微笑をしながら、自分だけは特別だと言いくるめ、攻撃的に、あるいは逆に極端に天然・鈍感・無邪気さを漂わせつつ饒舌に「俺は無害だけど世の中の男は有害」「俺は女性の味方だけどそれ以外の男は女の敵」だとそれとなく語るタイプの男性は、女性が信頼を寄せるにはやや危険な相手でしょう。 前者の攻撃的なタイプの人は 承認欲求 や腹の中の欲望がある程度簡単に 透け て見えるのでわかりやすいのですが、後者の微笑みながら善人を装うタイプはそれがわかりにくく、とくに邪悪な存在です。
こういうタイプは女性の前では 「俺って普通の男になれない落ちこぼれかも」「だからモテないのかな」 などと卑下して冴えない善人、恋愛や性行為に興味がない草食系な 非モテ 風を装いますが、その割に立ち振る舞いはうまく身なりや 清潔感、ルックス には人一倍気を使っていて、女性からの評価もおおむね高い位置を キープ しています。 これらはもちろん全部計算ずくですし、それを実践できるだけの場数を踏んでいますし、その結果として過去に別のコミュニティにおいて異性関係にまつわる深刻な トラブル を何度も起こしたことがあったりします。
女性の ぶりっ子 は男性から見るとしばしば本性がわからないものですが、同性の女性から見るとバレバレだったりします。 こういう 「無害な俺タイプ」 の男性も、男性の目から見ると心の中の欲望や目的がおおむねバレバレですが、女性、それも進学で都会に来たばかりとか、様々なストレスで心が弱っている状態、認知機能に制限がある人、恋愛に不慣れな状態だと真意が見抜けないものです。 中には自分のフェミニスト的価値観に男性の立場で強く共感してくれて、嬉しさや 党派性 のあまり見る目が曇ることもあるでしょう。 もちろん彼らは、こうした境遇にある女性を意図的に狙っているわけです。
男性ばかりの場では本性を露わ? にして得々と女性語り
この手のタイプは女性がいない男性ばかりの場ではわかりやすい マウント をとりがちです。 酒の席などでは酔いに任せて自らの性的な武勇伝のみならず、恋愛のコツや女性観を得々と説いて聞かせることもあります。 若い男性にとって女性とか恋人、あるいはセックスの話題は興味がある人が多いのでしょうが、あけすけに 「こうすれば女とヤレる」「食える」「今年は〇人食った」「お前は努力が足りない」 などと得意満面で 露悪的 に喋られると周囲もドン引きです。
人間は誰だって表の顔と裏の顔を持っていますし、あからさまな嘘はつかなくても、話を自分に都合よく 盛った り、良い部分は話して悪い部分は隠すなどは身に覚えがある人の方が多いでしょう。 実際に行動でそれを示すならともかく、口先だけで 「自分はこうだ」「こう思ってる」 などと吹聴し、自分の価値を吊り上げるために自分以外の他者、それも 主語 を大きくして男性全般を口汚く罵るような行為は褒められたものでもないでしょう。
また場数を踏んでいるので付け込みやすい女性や女性 グループ を見抜く術に長けており、いわゆるヒモやタチの悪いホストをしていたり、暴力的な傾向があったり、その過去があったりします。 こうした 属性 は詐欺やマルチ商法、カルト宗教や偏った思想を持つ政治団体、自己啓発系の集まり、あるいは恋愛工学や 炎上商法 などとも極めて親和性の高いものなので、女性だけでなく男性も近づかない方がいいかもしれません。 ろくなことがありません。
SNS では自称無害な俺との論争も盛んに
なお ネット、とくに ツイッター といった SNS では、こうしたあざとい男性のあれこれが男性からも見える場で展開されるため、反対側の立場の男性が揶揄したり、論争や バトル が生じることもあります。 その場合は、フェミニストのふりをする 痛い 男性として、フェミ騎士とかチンポ騎士団などと呼ぶこともあります。
こうした人たちには著名人から無名の一般人まで様々な人がいますが、その場その場で適当なことを語るので容易に矛盾をきたしたり ダブスタ に陥りやすく、論破も容易です。 またおおむね過去や 裏アカ などで女性に対する性欲まるだしの コメント を繰り返していたり、何らかの異性トラブルをいくつも抱えていたり、場合によっては性犯罪歴を持っていたりもするため、知らない間に誰かに 答え合わせ をされたり 身バレ を招いて 垢消し逃亡 していることも多いでしょう。
基本的には議論や論争どころかレスバ (レスバトル) もできないような人間であることが多く、さしたる影響力を持つこともありませんが、男性、あるいは男性が好むと思われがちな 萌え 表現を敵視するジェンダーやフェミニスト的な言説と相性の良い発言をしがちなため (炎上 などにもいちいち口を突っ込む)、一時的にそれなりの著名人や インフルエンサー、メディアなどから持ち上げられるなどして、注目を集めてしまうこともあります。
こうした男性の共感らしきものをありがたがる自称フェミニストの女性も多く、お互いに褒め合う中で表現はエスカレートし、自分たち以外の男性を 「キモい」 だの 「キショい」 だの小学生の悪口レベルの口汚い言葉でひたすら罵るといった状況に陥りがちです。 その様は穏健だったりきちんとしたフェミニストやその共感者らから苦言を呈されることもありますが、エコーチェンバー (同じ意見の者同士で思考が共鳴し合って先鋭化する) によって敵認定し、同じような幼稚で汚い表現で攻撃や罵倒対象にして遠ざけてしまうことの方が多いでしょう。
その結果、日本のフェミニズムに懐疑的だったり反対の立場の人はもちろん、単なる野次馬や差別的なミソジニスト (女性嫌悪者) らにまで反論しやすい ネタ を与えてしまう愚かな人々 (ネットおもちゃや珍獣) のような扱いとなることがしばしばです。